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2019年7月

2019.07.31

■感想 『クリムト展』@豊田市美術館

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 『クリムト展』@豊田市美術館 観てきた。
 思ったより作品数はこじんまりとしていた。
 でも「医学」1897-98年、「ユディトI」1901年、「葉叢の前の少女」1898年頃 等、堪能しました。
 金箔を使ったクリムト独自の絢爛でデカダンな油彩から鉛筆のスケッチによる流麗なタッチまでしっかりと眼に焼き付けました。
 やはり絵画の醍醐味は生で観ること。画家が描いたその絵の前に、観客自身が立って、その絵を描いた時の画家のあれこれを想像する楽しみが最高に貴重な時間だと思うけれど、最新の8K映像ならば、この臨場感はかなりの割合でモニタ上に再現できる気もして、そんな8K放送を一度試しに見てみたいと思ったり、、、。

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 豊田市美術館はリニューアルしたはずが、ほとんど以前と変わらず(チケット売場の位置は変わってたが)、期待してたのに残念。

 今回、豊田市美術館の1Fの半分、南側を使った展示でかなりコンパクト。朝一で30分待ちでチケット購入、さらに入場まで20分待ち。入ってすぐが狭いので、人が滞留、もっと広く会場を確保すべきかなあと思います。1Fの北側スペースが広いお土産ショップになっていたけど、そんなものより展示重視にして北側も絵画の展示に使って欲しかった。

 豊田市美術館は、自分がたぶん一番回数行っている美術館なので、今後のこうした絵画重視での展示を期待したいものです。

 以下、Facebookに3D風写真を掲載しているので、ご覧いただければ幸いです(^^)。

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2019.07.29

■感想 山崎貴監督『アルキメデスの大戦』


映画『アルキメデスの大戦』予告

"山崎貴監督が描く「戦艦大和」 1933年(昭和8年)、戦艦大和の建造をめぐる“机の上の大戦”が始まる。 これは、帝国海軍という巨大な権力に立ち向かい、数学で戦争を止めようとした男の物語。"

 山崎貴監督『アルキメデスの大戦』@ミッドランドスクエアシネマ、観てきました。
 冒頭から迫力のあるシーンで魅せられます。
 菅田将暉と田中泯がとにかく良い。その2人のやりとりが素晴らしい。一方、重要な会議シーンとか、他の役者陣のやりとりの緩さが気になるけれど、この2人によって映画としてグッと引き締まっているのは間違いない。






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 以下ネタバレ避けつつ書きますが、予備知識なしで観られたい方は読み飛ばして下さい。








 原作を全く知らず、予告篇くらいしか前知識なかったのだけれど、大和に込められた意味付けが凄く興味深かった。
 史実的にはこうした意味はなかったと思うけれど、現代の視点からは、象徴的にそんな意味付けがされるのはラジカルで面白い。

 戦闘機と戦艦の違いはあるけれど、その設計過程を描いているところから、宮﨑駿『風立ちぬ』を思い起こさせるけれど、この意味付けのみでは、本作の方が勝っているかもしれない。それくらい魅力的な設定だと思う。ここは原作の功績なんでしょうか。確かめてみたい。
 
コミックス アルキメデスの大戦 現在16巻 (RENTA)
 リンク先の試し読みと全巻のあらすじを読んだ限りでは、大和の意味づけについては、原作には明確な設定はなさそう。平山中将(田中泯の演じた役)が原作のどこかで語っているのかも。
 あと原作はまだ続いていて、もうひとつの太平洋戦争を描きだしていこうとしているよう。そして『風立ちぬ』とつながり堀越二郎と戦闘機開発の話も登場している。今後の原作の展開によっては、今回の映画化の冒頭シーンは、描かれない可能性もありそう。史実とフィクションの配分がなかなかスリリングな物語です。

アルキメデスの大戦 第1話 新型戦艦建造計画(コミックDAYS)
 こちらで冒頭3話分が無料で読めますが、かなり原作に近い組み立てになっていることがわかります。

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2019.07.24

■情報 「加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL」展

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左から「無題」2008年 原美術館蔵 Photo: Ikuhiro Watanabe、「無題」2019年 Photo: Kei Okano、「無題」2018年 Photo: Yusuke Sato、「無題」高橋龍太郎コレクション蔵 Photo: Tsuyoshi Saito

「加藤泉-LIKE A ROLLING SNOWBALL」 (原美術館公式)

”ハラ ミュージアム アーク(群⾺県渋川市)2019年7月13日[土]〜2020年1月13日[月・祝]
原美術館(東京都品川区) 2019年8月10日[土]~2020年1月13日[月・祝]

東京の美術館としては初の⼤規模個展となる原美術館では、新作の絵画、彫刻作品約 30 点を、元々は個⼈邸宅として建てられた独特の建築空間と対話するように展⽰します。吹き抜けのギャラリー1 では、加藤泉の新たな試みの⼀つである、⼤判のファブリックを⽤いたインスタレーションがお⽬⾒えします。ほか全館で絵画や彫刻など最新作約 30 点を展観、ストローク跡も⽣々しい加藤による表現世界の現在が出現します。

別館のハラ ミュージアム アークでは、作家秘蔵の未発表作品も交え、代表作を中⼼に約 100 点にのぼる圧倒的なスケールの作品群でこれまでの活動を振り返ります。初期作品から近作まで、未発表作品を含む約 100 点によって、作家の四半世紀にわたる活動を網羅的に紹介します。加藤の作品に登場する⼈のような形は、1990 年代半ばの彼の絵画作品に既に⾒ることができます。 初期から現在に⾄る代表作がハラ ミュージアム アークの開放的でシンメトリーな空間で⼀堂に会することによって、このモチーフが、素材と技法の幅を広げながらどのように展開されてきたのか、その変奏の過程をたどることができるでしょう。

また、⾼さ 13 メートルのメインギャラリーでは、代表的な⼤型の⽊彫作品を中⼼に、ソフトビニールや⽯を ⽤いた⼤⼩様々な彫刻作品の共演が予定されています。"

 群馬と東京で、加藤泉の作品 約140点が一堂に見られる大々的な個展が開かれている。
 なんとも言えない魅力的な/プリミティブな迫力に満ちた加藤泉作品をたっぷりと堪能できるということでこれは、是非とも行かなくてはと思う。
 
 僕が加藤泉作品を観たのは、いくつかのグループ展 (例えば「みんな、うちのコレクションです」展 @ 原美術館 (2016)) と、個展(と二人展)では 加藤 泉『はるかなる視線』展 @ アートスペースSix(2011) 『この世界に生きている – 加藤泉 × 陳飛 : LIVING IN FIGURES IZUMI KATO × CHEN FEI』展(2016) だけであるので、今回のこの機会はとても貴重で楽しみ。

 群馬県渋川市、調べてみると、東京から新幹線を使っても2時間あまりかかる。これは1日ではふたつは回れないですね。どうしよう、、(^^;)

◆関連リンク
加藤泉の全貌。ハラ ミュージアム アークで加藤泉の個展「LIKE A ROLLING SNOWBALL」を見る (美術手帖) 

"本展では、1994年から2019年のあいだに制作された143点もの作品が、3つのギャラリーと特別展示室「觀海庵(かんかいあん)」の4つで展示される。"

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2019.07.22

■感想 新海誠監督『天気の子』

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 新海誠監督『天気の子』@ミッドランドスクエアシネマ、観てきた。

 いきなりの『The Catcher in the Rye』の無邪気な登場に、新海誠健在と感じて、新宿の雑踏の緻密な美術世界にスムーズに入っていけましたw。

 今回も、初期新海作品が苦手な僕には、相変わらずだなあ〜ってちょい引くモノローグはあるけれど、RADWINPSの曲とエンタメストーリーは闊達に、微妙なところで、モノローグ的世界に行きっぱになるのを回避している。

 美術とアニメートのディテールの高精細解像度が、観客にその映像世界のリアリティーを把握させる手腕は見事で、その世界の奇想に登場人物とともに浸って行ける。

 場内は2〜30代の若者で満席だったけれど、そんな奇想は彼らにも自然に感じられたんじゃないだろうか。

 ポスターのメインビジュアルになっている空のシーン。アニメートの自由な空間描写で大空に描かれたアートが素晴らしい。雲の下、東京の陰鬱な空間に対しての開放感。言語で描けない大空をキャンバスにした、なにものかの描写が本作の白眉。

 詩的モノローグから言語空間として組み立てられていたような初期作品に対して、無意識的な言語化される前の映像的なイメージから構築された最近の新海作品らしい伸びやかな映画世界。

 主人公の選択と東京の街の変貌。水を中心に描いた今夏の『プロメア』『海獣の子供』『きみと、波にのれたら』に比べると(空に対して)水の映像は今ひとつだったけれど、そこは現出した街と主人公たちのこれからのイメージの広がりで、なかなかの傑作になってたと思う。

◆関連リンク
感想 新海誠監督『君の名は。』

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2019.07.17

■感想 「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」@東京国立近代美術館

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「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」@東京国立近代美術館

"会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
会期:2019年7月2日(火)~10月6日(日)
開館時間:10:00-17:00 ( 金曜・土曜は10:00-21:00 )
休館日:月曜(7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)、 8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)"

 本業の出張ついでに一泊して、開催第1週の週末 7/6(土)に行ってきた。情報量が凄いと事前情報を聞いていたので、朝一番10:00に入って、昼飯挟んで約5時間みっちり観てきた。はじまったばかりだったが、館内はなかなかの人混み。まだ入場待ちは発生していない様だったけれど、今後、混雑が予想されるので、じっくりと観たい方は早めの見学をお薦め。

 圧倒的な資料に記憶の中のいろんな映像が刺激され脳内再生される。前半見たところで昼飯休憩しヒートアップした頭を休めた。
 前半、まず『ハイジ』まで観て、ほとんど僕は観たことのなかった直筆の宮﨑駿レイアウト、原画を舐めるように見て、その鉛筆の線に痺れ、頭の中がいい気持ちに(^^)。

◆総論
 僕はアニメーター、特に宮﨑駿とか大塚康生、小田部羊一氏の作画に興味があるため、とにかく彼らの肉筆の絵、その鉛筆の線に目がいってしょうがなかった。まさにその点でもこの展示会は、しっかりとアニメーターの作画をじっくりと観ることが出来て、とても堪能できる。観終わった後も、高畑勲の演出というよりも実はその印象が非常に強い。

 演出家を美術展で取り上げることの難しさ。それがこの観終わった後の印象にも影響しているのかもしれない。

 演出家は、コンセプトを言語化して伝えるのが仕事である。企画書も絵コンテもメモであったり、絵コンテの作画担当への口頭での依頼だったり、いずれも言語が介在する職種である(一部、高畑氏も絵を自身で描かれている展示もあったけれど)。

 それに対して、この美術展は企画メモ、構想ノート等が大量に展示され、加えて高畑氏のインタビュー映像による演出意図のビデオが飾られている。いずれも言葉での表現である。一方、大量のメモを読むのに、美術館の展覧形式は適していない。高畑氏のメモは、かなり読んだつもりであるが、読めたのはおそらく展示で示されている(メモのページがたくさんあって奥にあって見えない資料も数々あり)1/10位だったと思う。

 実は美術というのは、言語化できない領域の芸術表現である、と思っている僕は、美術館へ美術展として観に行っているので、どうしても絵に重点を置いた見方になってしまったのではないかと思う。それが観終わったあと、「東映動画初期作画展」「『カルピスこども名作劇場』作画展」といった印象を強く持ってしまった要因なのではないかと思う。

 言語で表現される演出家の「芸術」領域は、ご本人執筆の本や構想・企画メモ、絵コンテの文字部分を読むことで受け止めることができる。それは美術展というより個人的な読書での鑑賞の方がふさわしい形式のように思う。

 それに対して、演出家の言語化できない無意識の「芸術」領域とは一体なんなのだろう。もしかしたら、美術展で演出家を取り上げる際のポイントはそんなところかもしれない、とぼんやり考えていた。
 もちろん今回の展示が、その構成で描いているように、高畑勲氏が漫画映画界に残したコンセプトは、多大なものであり、その功績は膨大な展示物とその構成によって見事に表現されていたと思う。それはコンセプトとして、先に述べた言語で表現できるレベルの高畑氏の考えである。ここで触れたいと思ったのは、そこから先、演出家の無意識の表現をダイレクトに体感できるような美術展というのはどういうものなのだろうか、と夢想し考えているということです。

 絵コンテが描ける演出家はその絵の鑑賞がそのひとつとして挙げられる。加えてFOとかカット割りの演出を絵コンテで体感というのもあるかも?
 が、そう考えると、後者の場合はやはり出来上がった映像が展示されていれば良いことになる。それは美術展というより映画館もしくは劇場で開催すべき回顧上映といったイベントが適している。

 今回も館内でいくつかの映像シーンは展示されていたが、それはごく限られたシーンであり、全体の印象として演出家のイメージを十分に体感できるボリュームにはなっていない。(これは美術展なのである意味、当たり前なのだけれど、、、)

 同時期に博多で開催されている、富野由悠季展がどういうアプローチをされているか、興味深い。が、しかし静岡に来るまでは僕はいけないでしょう。(今回も冨野氏の『アルプスの少女 ハイジ』の絵コンテが飾られていたけれど、あの絵から映画監督の無意識のイメージが伝わったかというと、ちょっと違いますね。)

 高畑勲展では、そのためのアプローチの一つとして、『アルプスの少女 ハイジ』の第1話のハイジがおんじのアルムの小屋に向かっていくところで厚着の服を脱いでいくシーンの演出意図とその原画/映像展示とか、『かぐや姫の物語』のかぐや疾走シーンの演出意図と原画から映像までの多角的な展示が印象的だった。こうしたところに美術展での演出家の展示企画のポイントがあるのかもしれない。言語化されない無意識の表象としての美術、この定義自体がどちらかというと僕の個人的なものなので、より一般的な意見を聞いてみたいものです。
 皆さんはどう思われますか。コメントいただけると幸いです。

 と書きつつ、このブログでも取り上げているけれど、僕は今まで、映画監督のアート展を実はそこそこ鑑賞してレポートしている。ヤン・シュヴァンクマイエル、デイヴィッド・リンチ、ブラザーズ・クエイ、ユーリ・ノルシュテイン等々。
 彼らは、いずれもその造形だったり、絵画だったり、かなり映像作りにアート的表現が侵食している作家たちである。映画と独立してアートとしての表現も確立されているため、今回の高畑勲展とは一概に比較できないかな、と思った次第。

◆以下、各展示メモ
 いずれも会場で展示物を見て、忘れないように、iPhoneにメモを入力したものです。
 まだ図録がほとんど読めていないため、図録に書かれていたり、もしかしたら当たり前の話もあるかもしれないので、あくまでもこのブログなりの備忘録くらいとして、読み飛ばしてやってください。

◆ナウシカの映画音楽についてのメモ
「王蟲の聖なる役割につける音楽、苦悩を背負っている (しずかな) 根源的生命力
 ミュンベルクウェーベルン→バッハ
              ペンデレツキ」
 と書かれていた。ペンデレツキの陰鬱な曲が王蟲の姿にかぶっていたら、相当な迫力だったかも。

◆ドラえもん企画メモ
 「シリーズの構成は不要であり、いかにバラエティを考えるかだけが重要」。
 物語というよりショートショート的に一話ごと見せていくことの重要性を言われているのでしょうね。

◆ルパン23話 絵コンテ 一冊。ただし展示は表紙しか見えません。
 この中身が見たかった!! ハイジとかと同じく高畑氏が文字、宮崎氏が絵を話し合いながら書いていったのであろうか。
 今回の企画協力者に宮崎氏が挙がっていなかったが、その辺りの具体的な進め方が今後明らかになるといいですね。(NHK「なつぞら」で小田部羊一氏監修でそこらがドラマで再現されると一番良いのですが、、、)

◆やぶにらみの暴君
 後年、監督により再編集された『王と鳥』と高畑氏はどっちを好きだったか、知りたくなる。著作に当たれば両作への感想は書いてあるのだろうか。(『王と鳥―スタジオジブリの原点』『漫画映画(アニメーション)の志―『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』』の2冊、読んでみないと)

◆かぐや姫 メモ
 高畑氏が1959年東映動画入社まもなく、内田吐夢監督による『竹取物語』漫画映画化の企画があり、応募はしなかったということだが高畑氏が企画を練った際の資料メモ「ぼくらのかぐや姫」「『竹取物語』をいかに構成するか」の展示。
 「美のアルチザンとしての翁の目つきに対して、かぐや姫が翁を殺してしまう」という過激なストーリー、「特に好きでもなく作りたくなかった」という当初の『竹取物語』への考え方、「音楽劇 影絵」動画として作る考えとかが読め興味深かった。

◆狼少年ケン
 24話 象牙の湖 の彦根氏との一話が高畑氏のお気に入りだったとのこと。
 僕は展示されていた、(たぶん)月岡貞夫氏のコンテの、キリンとダチョウの絵がべらぼうにうまいと感じました。目福(^^)。

◆太陽の王子ホルスの大冒険
 ここのコーナーは、制作当時の資料が相当の量で展示されていて、充実しています。
 香盤表とか、キャラクタの担当表が、制作過程をうかがわせて興味深かった。
 キャラクタについては、「作者、(作画)責任者」がそれぞれ分けて書かれ、ひとりが両方担当する場合(「氷象」は「作者、責任者」とも宮﨑駿)と、「岩男」のように分かれている場合(「作者」 : 宮﨑駿、「責任者」: 大塚康生)があったとのこと。またカットごとの原画の担当表も展示されていた。こういうのがとても興味深いが、残念ながらこの資料は図録に掲載されてなかった。

 岩男と氷象の戦いの 宮﨑駿氏の原画 5枚が展示されていた、凄い筆致で思わず見とれてしまった。
 あと大塚氏の 高畑勲と一緒に描かれた絵コンテ。その生原稿(一部、青焼き)が観られたのも収穫でした。肉筆の迫力は何ものにもかないません。

 あと宮﨑駿氏の提案書 25枚ほど。
 「シータ(ヒルダ)は ホルス(パズーという名はどうでしょう)」という名前を変えてしまう提案とか大胆。
 「全体にリアルなものにしたい」「しかしシンドバット的リアルはエセリアルなり」「東映調反対」なーんてところが変革者としての気概を感じさせます。

 森康二氏による作画修正も、ヒルダの冷たさが 口元や目の線一本のわずかの位置の違いで表現されていて、素晴らしい。

 小田部氏によるホルスの船出シーン。ここも抜群にうまいです。波含めて凄い迫力。人の手によって映像が生み出される凄みを感じさせて、漫画映画の持つ力の一端が表現されています。

◆長くつ下のピッピ
 えんとつ掃除シーンについて、「ピッピ ここで超能力を見せる」というメモ。ピッピが超能力を持っているのは知りませんでした。

◆パンダコパンダ
 宮﨑駿氏の絵コンテ 6枚、雨ふりサーカス レイアウト22枚。
 脚本準備ノートとか含めて、柔らかい線が素晴らしい。メモの「ものすごーく大きな」という表現だとか目が点で表現されているがその表情の豊かさ、このころからハイジくらいまでの宮崎氏の絵の稚気が溢れてるところがとても和みます。波の表現も絶妙で感動。

◆アルプスの少女 ハイジ
 第1話のコンテ。ここでも宮﨑駿の絵が凄い。まさに画面の原型であり、この鉛筆のタッチは、出来上がった映像を超えているのでないかというくらい、味わい深い。
 富野由悠季氏のコンテも#18が展示。

 びっくりしたのはハイジのOP。TBSラジオ アトロク(以下関連リンク参照)で小田部氏が「OPの踊りの参考にするため、宮﨑氏と小田部氏ふたりで踊ったところを8mmフィルムで撮った」と語っていたところ。なんとそのシーンの原画は森康二氏でした。それを小田部氏が修正。自分たちの姿を大先輩に描かせるという二人の若手アニメーター、凄い(^^)!
 その森康二氏原画と作画監督 小田部氏の修正が並べて展示されている。前者の柔らかな描線が良いが、キャラデザが違うため、そこは小田部氏が直しているというのがよくわかる。
 OP映像もプロジェクタで上映され比較できるようになっていたが、ここは是非8mmフィルムも合わせて上映して欲しかったのです。凄まじい展示になったのにと残念ですw。

◆母をたずねて三千里
 ここでも宮﨑氏のレイアウトが多数、見られた。
 船のロープが水面に落ちているシーンに「今日の標語 レイアウトそのままやると失敗す。信ずるな、例え天下のレイアウトでも(字あまり)」と書いてあって、笑ってしまった。

 ペッピーノ一座と寂しそうなマルコの対比。

 アメデオの原画 9枚、宮﨑氏によるとものでこれが凄い。目とアメディオのポーズ。動物の持つ知性とかわいさの表象が素晴らしい。

 「原画参考」と描かれた人形を操るフィオリーナのおそらく宮﨑駿氏による絵も、映像のフィオリーナが持っていた寂しさが生の絵としてそこにあり、どれだけ見ていても飽きることがない味わい。

◆赤毛のアン
 レイアウトは1話〜15話が宮﨑駿氏のはずなのに、展示の絵にはクレジットがない。展示されていたものの中では、46話のみ別の方のはず。何故、ここだけクレジットがないのでしょうね。こちらのレイアウトの絵も味わい深いけれど、前述した稚気というようなものは物語の違いもあり、あまり感じられません。

◆じゃりんこチエ
 レイアウトと背景画が充実。ここでレイアウト図と背景が並んで展示されていたので、じっくりと見てみた。
 以前から思っていたレイアウトでのデッサンと質感の良さが、背景画では何故かドロップしてるような気がするのは、僕だけでしょうか。

 例えば冷蔵庫と家の質感。全体のバランスよりひとつづつの事物を写実として描こうとしているからなのか、レイアウトでのいい味が十分表現されていないと感じた。

 三千里やハイジも、そういう見せ方で宮﨑駿レイアウトがどう背景画で変わったか見たかった。

◆かぐや姫のものがたり
 高畑氏の制作意図から、橋本晋治氏の作画が多面的に表現されている。

◆ミュージアムショップ
 今回の展示原画を使った絵はがきやグッズ類がたくさん売っていたのですが、アニメーターの名前は残念ながら書かれてません。
 作画監督とか画面設計とか中心スタッフ名で代表してクレジットされているのですが、権利的にはどうなっているかわからないけれど、美術館での販売として、絵をこうして売るのであれば、その原画を描いた人の名前をクレジットしてしかるべきではないだろうかと思った。
 展示としては、アニメーターの名前がかなりのボリュウムで今回表記されていただけに、そうしたところは少し残念でした。

 以上、長文で好き勝手にいろいろとすみませんでした。堪能させていただきました。

◆関連リンク
伝説のアニメクリエイター・小田部羊一に聞く「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」秘話に震えろ
神アニメーター、小田部羊一さんへの超貴重なインタビュー【ハイジからポケモンまで】
 TBSラジオ、アフタ−6ジャンクション公式サイト、音声ファイルあり。小田部さんと「高畑勲展」企画アドバイザーで図録の執筆もされている、高畑勲・宮崎駿作品研究所代表 叶精二さんが登場されています。

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2019.07.15

■感想 劉慈欣『三体』( 立原 透耶 翻訳監修, 大森 望, 光吉 さくら, ワン チャイ訳 )

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劉慈欣『三体』刊行記念! 短篇「円」特別公開(早川書房公式)
三連休は『三体』を読もう! 読書のおともにどうぞ! 登場人物表(早川書房公式)

 劉慈欣『三体』読了。いや〜面白かった ! このワクワク感はたまりません。3部作の続き『黒暗森林』は来年翻訳出版予定、第3部『死神永生』が出るのはさらにその先で待ち遠しくてなりません。Wikipediaを覗くと三部作の粗筋が書いてあるようですが、読みたくてしょうがないけれど、もったいなくて読めません(^^;)。

 冒頭の文化大革命の近衛兵の少女の鮮烈なシーンからはじまり、軍の巨大施設での謎のプロジェクトと某仮想世界の話が並行で進む。スリリングな施設のシーンと奇想の仮想世界。そしてそれらの交点に炙り出されるある存在とのファーストコンタクト。

 中国の理論物理学者の苦悩と、それを伏線としたある重大な決断。ここの悲劇性から描かれるのは壮大な人類の暗黒。ノワールなその後の描写とクライマックスで描かれる人類の絶望感の共鳴が絶妙。そして、、、、。

 僕はこの前半の文革の描写と中国の政治的側面からのいろんな科学者の生活上の制約のドラマ部分、そして短編「円」に代表される奇想映像(ある意味バカSFの系譜)としてのSFアイデアに痺れながら読み進めました。
 
 もうひとつ面白い縦糸は、作戦司令センターの警察官 史強の追う謎。ミステリ的に、史強の直感が壮大な宇宙の企みを予測し、そしてラストで史強が示す人類の持つべき姿勢が小気味良い。

 あと最近エンジニアの本職仕事で分子原子スケールの物理学の話題が頻繁に出てきて、ロートルエンジニアは着いていけなくなっているのだけれどw、この人類の絶望感、そんなところからも共鳴して、ある部分実感として読み終わりました(^^)。

 テクノロジーのネクストレベルはミクロな粒子をマクロなレベルで操作する(原始時代の焚き火からナノテクまで)ものではなく、ミクロ次元の制御と操作なのではないか、本書のひとつの大きなテーマです(本書 P361丁儀のセリフ)。

 このテーマからいくと、本書のクライマックスで描かれた次元を操るテクノロジーのシーンは、さらに大きく拡大し、今回の奇想シーンを超える壮大な物理学絵巻が開陳するのではないかという期待が高まります。

 中国では3部作で2100万部、英語版とドイツ語版で110万部とか発行されているようだけれど、日本でも既に発売一週間で8刷とかのようなのでヒットも期待できそう(中国の約1/10の人口の日本だけれど、さすがに200万部とかは難しいでしょうかw)。

  中国ではITベンチャー系に受けたようだけれど、エンジニアの人数データだと2014で “日本:81.9万人、アメリカ:357.3万人、中国:327.3万人”ということなので(日本国内と海外のITエンジニア人口の推移 より )、日本の4倍で大きく見えますが、2100万部÷3冊/セット=700万人に対して、ITエンジニアで半分くらいですね。あとは学生たちかな。

 映画化は中国で撮影までトライしたが完成できず(以下、関連リンクに幾つかその断片情報を添付しました)、その後、Amazonでの映像化の噂があるようですが、確かにこんな本格SF作品が映像化されたら、本物のSFブームが到来するのかも。本作は20時間くらいの大長編としてじっくりと丁寧にこのワクワク感を映像化してもらいたいものです。

 最後に、映画化よりも、まずは素早い翻訳出版を、関係者の皆様、よろしく御願い致します。早く続きが読みたくてたまりません。

◆関連リンク
中国人SF作家・劉慈欣氏の小説「三体」がヒューゴー賞長編部門を受賞(15.8/24)

"中国人SF作家・劉慈欣氏の小説「三体」が第73回ヒューゴー賞長編小説部門を受賞した。
 ちなみに、劉慈欣氏がプロデューサーとして作った同名映画も撮影を終え、2016年7月に上映される予定だ。"

中国SF『三体』の映像化はいつ? 映画化とドラマ化はどうなった?

"実は撮影も完了していた

2015年には『三体』の実写映画化が進められ、撮影が完了したという報道もされていた。ポスターやトレイラーも公開され、中国のSFファンは映画版『三体』の公開を今か今かと心待ちにしていた。当時は『さまよえる地球』ではなく、『三体』の公開が中国のSF映画を取り巻く状況を一変させると大きな期待を受けていた。"


“The Three Body Problem” movie: sci-fi made in China? 
 上のリンク先にあったメイキングらしき映像。
 
オバマも絶賛! リュウ・ジキンの登場がSFを変える

"オバマ氏は、2017年12月に北京で開催された国際教育サミットでリュウ・ジキンとの面会を果たした。オバマは、この年の1月にニューヨークタイムズのインタビューで、『三体』を絶賛していた。今回、オバマはジキンの次回作について質問し、ジキンは自身の作品の映画化についてオバマへ話をしたという。"

世界が注目する中国人SF作家、リュウ・ジキンの肖像 (Wired)

"その作風は、荒涼とした現代的なテーマへと向かいがちな最近のSFの傾向とは異なっている。彼はこうした違いの原因を、近年の中国の科学技術の向上からくる高揚感によるものだと考えている。
「中国の新しい世代は、前の世代より広い視野をもっています。彼らは自分自身のことを、単に中国人であると考える代わりに、人類の一部として考えています」とリュウは言う。「彼らは地球全体に関する問題を、よく考えているのです」"


 《三体·起源》 the three body problem · origin 中国での映画化の断片映像が見られます(フェイクかも)。
Transcript: President Obama on What Books Mean to Him (NY Times)
 オバマ元大統領インタビュー。『三体』についての部分。

"It’s interesting, the stuff I read just to escape ends up being a mix of things — some science fiction. For a while, there was a three-volume science-fiction novel, the “Three-Body Problem” series —

— which was just wildly imaginative, really interesting. It wasn’t so much sort of character studies as it was just this sweeping —

Exactly. The scope of it was immense. So that was fun to read, partly because my day-to-day problems with Congress seem fairly petty — not something to worry about. Aliens are about to invade. [Laughter]"

【緊急開催!】陸秋槎×大森望「劉慈欣『三体』日本語訳版刊行記念イベント」【大森望のSF喫茶 #30】

"主催: ゲンロンカフェ 東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F
2019/07/19 (金) 前売券 1ドリンク付 ¥2,600"

◆若干のネタバレ感想
 僕は本書を初めから最後までとても面白く読んだのですが、唯一ダメだった部分は以下。
 ネタバレなので、文字をホワイトアウトしますので、読後の方は、カーソルで文字反転させてみてください。

 後半クライマックスの三体星人の会話のくだりはダメでした。感想して干物のようなペラペラの存在になる生命体が、あのように地球人と同じメンタリティで会話していてはダメかと。あれじゃまるでガミラス星人です(^^)。(『宿借りの星』を読んだ直後なので、特に大きな違和感が…)

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2019.07.08

■感想 古川日出男『平家物語 犬王の巻』

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古川日出男『平家物語 犬王の巻』(河出書房新社 公式HP)

"時は室町。京で世阿弥と人気を二分しながらも、歴史から消された能役者がいた。その名は犬王――鳴り響く琵琶は呪いか祝福か。窮極の美を求めた異貌の男の一生が物語られる。平家物語異聞。"

 古川日出男『平家物語 犬王の巻』読了。

 湯浅政明監督による映画化の報に触れてから読んだという、古川奇想小説ファンとしては恥ずかしい状況ですがw、能と琵琶の物語世界を、古川独特のスピード感ある文体で堪能できる傑作でした。

 ここでも、古川日出男の朗読を聴くと顕著に分かる演劇的な文体と、いにしえの物語を語る物語の絶妙な適合が、他にない小説空間を作り出しているのですが、犬王という呪われて能の家庭に生まれた若者が、自ら兄たちを観て必死に舞を覚えることで霊を祓い浄化していく様が、この小気味好いリズムの文体で清々しく体感できることで、読者の何かも浄化されるような気持ちのいい小説になってます。

 先日観た湯浅監督最新作『きみと、波にのれたら』 が、やはり気持ちのいい空間を提示してたので、ますます楽しみなコラボになりました(^^)。

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古川日出男『平家物語 犬王の巻』映画化決定 2021年公開

"映画『犬王』
公開時期:2021年予定
原作:「平家物語 犬王の巻」古川日出男著/河出書房新社
監督:湯浅政明
脚本:野木亜紀子
キャラクター原案:松本大洋
アニメーション制作:サイエンスSARU

古川日出男コメント
私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる。すなわち音が、声が、色彩が。それから感情が、もちろん感動が。その監督やその脚本家やそのキャラクターの設計家や、音楽家や、その他その他によって、それらはついに放たれるのだ。

湯浅政明コメント
歴史にはわずかにしか書き記されていない、「犬王」という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。・・・これは面白くなるしかないですね。楽しみにしててください!"

 そして映画情報は現在のところ以上です。
 松本大洋と湯浅政明のコラボレーションというのも興味深いですが、ミュージカルというのが最大の期待。
 『きみと、波にのれたら』の歌のシーンが素晴らしかっただけに、この能と琵琶を主題にした物語で、その音楽劇がどのようなものになるか、楽しみでなりません。2年先というのは首が長くなりますが、まずは湯浅監督の『映像研には気をつけろ!』を20.1月からテレビシリーズとして楽しみながら待ちたいと思います。あ、その前に早くNetflixに入って『DEVILMAN crybaby』を観なきゃ(^^;)。

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2019.07.03

■感想 湯浅政明監督『きみと、波にのれたら』


『きみと、波にのれたら』港&ひな子の歌シーン

 湯浅政明監督『きみと、波にのれたら』@ミッドランドスクェアシネマ で観てきた。
 これは、元気が出る物語で、さらにアニメーションの自由な表現で、活き活きとしたいい映画になっていました(^^)!

 湯浅監督らしい、伸びやかな描写、幻惑的シーンが鮮やか。海のシーンはもちろん、コーヒーを淹れたり、オムレツを作るシーンさえ気持ちがいい。
 残念ながら大ヒットという感じではないようだけれど、幅広い層の観客が気持ちよくなれる映画だと思う。

 僕が観たのは週末金曜の夜の回だったけれど、客の入りは小さな劇場で半分ほど。若い人が多かったけれど、『君の名は。』の様な大きなうねりにはなっていない様だった。この原因のひとつに、宣伝がうまくこの映画の良さを表現する様に機能していなかったと思う。

 セリフを多用し物語を言葉で語り、ちょっと痛い感じの悲劇の映画のように見せている予告篇とCM。
 ああじゃなく、このリンク先の映像のような、あの2人の歌をバックに躍動感とユーモアの溢れる映像の力で、この映画の気持ち良さを存分に表現した予告だったら、もっと幅広く受け入れられたんじゃないかと、ちと残念。

 この後の口コミでの広がりも期待できるけれど、現在の予告篇を観た人にはなかなかあの印象を覆して劇場へ足を向けてもらうのは難しい気がする。

 ということで、湯浅ファンはもちろん、『君の名は。』のヒットにあやかった恋愛アニメなんて、と思ってる方にも、この映画の映像と音楽の奏でる気持ち良さを、是非伝えたいものです(^^)。

 Youtubeのこの動画、本篇と少し音楽に乗せた映像の運びが異なると思うけれど、このシーンだけでも、この映画を観る意味があるくらい、僕は好きになりました。この主役二人の歌は以下のリンク先の対談によると、偶発的にできたもののようですが、この録音ができた時に、本作の成功を湯浅監督は確信されたんじゃないかな、と思えるほどの良いイメージと感じました。

◆関連リンク
・湯浅政明×片寄涼太 対談
 この歌の出来上がった経緯とか分かる、なかなか良いインタビューです。
 主役の2人、『3年A組 』のあの2人だったんですね。

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2019.07.01

■情報 100分de名著『小松左京スペシャル』 2019年7月

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100分de名著『小松左京スペシャル』 2019年7月 (NHK 公式HP)

"「宇宙にとって人間存在の意味とは何なのか?」「未曽有の災害に直面したとき人はどう行動したらよいのか?」「本当の意味で豊かな文明とはどんなものなのか?」……人間にとって根源的な問題をSFという手法による思考実験を通して、大胆に問い続けてきた作家・小松左京(1931-2011)。卓越した日本人論,、文明論としても読み解ける小松左京作品を通して、「人間存在の意味」や「真の豊かさとは何か」といった普遍的な問題をあらためて見つめなおします。

番組では宮崎哲弥さん(評論家)を指南役として招き、小松左京が追い求めた世界観・人間観を分り易く解説。「地には平和を」「日本沈没」「ゴルディアスの結び目」「虚無回廊」等の作品に現代の視点から光を当てなおし、そこにこめられた【日本人論】や【未来論】【文明論】など、現代の私達にも通じるメッセージを読み解いていきます。

第1回 原点は「戦争」にあり ~「地には平和を」~
【放送時間】2019年7月1日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ

第2回 滅びとアイデンティティ  ~「日本沈没」~
【放送時間】2019年7月8日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ

第3回 深層意識と宇宙をつなぐ ~「ゴルディアスの結び目」~
【放送時間】2019年7月15日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ

第4回 宇宙にとって知性とは何か ~「虚無回廊」~
【放送時間】2019年7月22日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ"

 小松左京の作品のうち、「地には平和を」『日本沈没』『ゴルディアスの結び目』『虚無回廊』という大好きな4作が取り上げられるので、これは必見です!
 今回は紹介記事として、以上ですが、このあと、放映後の感想も載せていきたいと思っています。 

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