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2019.07.29

■感想 山崎貴監督『アルキメデスの大戦』


映画『アルキメデスの大戦』予告

"山崎貴監督が描く「戦艦大和」 1933年(昭和8年)、戦艦大和の建造をめぐる“机の上の大戦”が始まる。 これは、帝国海軍という巨大な権力に立ち向かい、数学で戦争を止めようとした男の物語。"

 山崎貴監督『アルキメデスの大戦』@ミッドランドスクエアシネマ、観てきました。
 冒頭から迫力のあるシーンで魅せられます。
 菅田将暉と田中泯がとにかく良い。その2人のやりとりが素晴らしい。一方、重要な会議シーンとか、他の役者陣のやりとりの緩さが気になるけれど、この2人によって映画としてグッと引き締まっているのは間違いない。






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 以下ネタバレ避けつつ書きますが、予備知識なしで観られたい方は読み飛ばして下さい。








 原作を全く知らず、予告篇くらいしか前知識なかったのだけれど、大和に込められた意味付けが凄く興味深かった。
 史実的にはこうした意味はなかったと思うけれど、現代の視点からは、象徴的にそんな意味付けがされるのはラジカルで面白い。

 戦闘機と戦艦の違いはあるけれど、その設計過程を描いているところから、宮﨑駿『風立ちぬ』を思い起こさせるけれど、この意味付けのみでは、本作の方が勝っているかもしれない。それくらい魅力的な設定だと思う。ここは原作の功績なんでしょうか。確かめてみたい。
 
コミックス アルキメデスの大戦 現在16巻 (RENTA)
 リンク先の試し読みと全巻のあらすじを読んだ限りでは、大和の意味づけについては、原作には明確な設定はなさそう。平山中将(田中泯の演じた役)が原作のどこかで語っているのかも。
 あと原作はまだ続いていて、もうひとつの太平洋戦争を描きだしていこうとしているよう。そして『風立ちぬ』とつながり堀越二郎と戦闘機開発の話も登場している。今後の原作の展開によっては、今回の映画化の冒頭シーンは、描かれない可能性もありそう。史実とフィクションの配分がなかなかスリリングな物語です。

アルキメデスの大戦 第1話 新型戦艦建造計画(コミックDAYS)
 こちらで冒頭3話分が無料で読めますが、かなり原作に近い組み立てになっていることがわかります。

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