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2019.07.03

■感想 湯浅政明監督『きみと、波にのれたら』


『きみと、波にのれたら』港&ひな子の歌シーン

 湯浅政明監督『きみと、波にのれたら』@ミッドランドスクェアシネマ で観てきた。
 これは、元気が出る物語で、さらにアニメーションの自由な表現で、活き活きとしたいい映画になっていました(^^)!

 湯浅監督らしい、伸びやかな描写、幻惑的シーンが鮮やか。海のシーンはもちろん、コーヒーを淹れたり、オムレツを作るシーンさえ気持ちがいい。
 残念ながら大ヒットという感じではないようだけれど、幅広い層の観客が気持ちよくなれる映画だと思う。

 僕が観たのは週末金曜の夜の回だったけれど、客の入りは小さな劇場で半分ほど。若い人が多かったけれど、『君の名は。』の様な大きなうねりにはなっていない様だった。この原因のひとつに、宣伝がうまくこの映画の良さを表現する様に機能していなかったと思う。

 セリフを多用し物語を言葉で語り、ちょっと痛い感じの悲劇の映画のように見せている予告篇とCM。
 ああじゃなく、このリンク先の映像のような、あの2人の歌をバックに躍動感とユーモアの溢れる映像の力で、この映画の気持ち良さを存分に表現した予告だったら、もっと幅広く受け入れられたんじゃないかと、ちと残念。

 この後の口コミでの広がりも期待できるけれど、現在の予告篇を観た人にはなかなかあの印象を覆して劇場へ足を向けてもらうのは難しい気がする。

 ということで、湯浅ファンはもちろん、『君の名は。』のヒットにあやかった恋愛アニメなんて、と思ってる方にも、この映画の映像と音楽の奏でる気持ち良さを、是非伝えたいものです(^^)。

 Youtubeのこの動画、本篇と少し音楽に乗せた映像の運びが異なると思うけれど、このシーンだけでも、この映画を観る意味があるくらい、僕は好きになりました。この主役二人の歌は以下のリンク先の対談によると、偶発的にできたもののようですが、この録音ができた時に、本作の成功を湯浅監督は確信されたんじゃないかな、と思えるほどの良いイメージと感じました。

◆関連リンク
・湯浅政明×片寄涼太 対談
 この歌の出来上がった経緯とか分かる、なかなか良いインタビューです。
 主役の2人、『3年A組 』のあの2人だったんですね。

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