« ■感想  ジョン・クラシンスキー監督『クワイエット・プレイス』 | トップページ | ■情報 KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』 »

2019.09.23

■感想 「ウルトラQ カネゴンの繭」上映&スペシャルトーク

70591932_2356652734664307_82992163345672
ウルトラマンアーカイブ ULTRAMAN ARCHIVES (公式HP)
 「ウルトラQ カネゴンの繭」イオンシネマ名古屋茶屋ライブビューイング観てきた。トークショーはイオンシネマ板橋で行われているのをライブで全国4箇所のイオンシネマで放映したもの。

 大画面で観るクリアなウルトラQは初。特にカネゴンの造形が、素晴らしかった。
 体表の質感、足先の光、眼の表情。繭から生まれる手前の、シュールな空間表現が、奥行きを示す白いラインと、目玉等のモールで、CGの様な空間がアナログで表現されている。

 森永卓郎の金融への興味はカネゴンが起点だったとか、鴻上尚史の新作がウルトラシリーズオマージュの『地球防衛軍 苦情処理係』という演劇だとか、1時間以上のトークもなかなかでした(^^)。

 以下の写真は、ライブビューイング用に撮影タイムが設定されていて、イオンシネマ名古屋茶屋のスクリーンの画面を撮った物。#ウルトラマンアーカイブス というハッシュタグを付けることを条件にネットに掲載するのがOKとのことなので、ハッシュタグ、付けます。

70695059_2356652704664310_17115705636772

◆鴻上尚史のトークから
 以下、お二人のゲストのトークから、興味深かったエピソードを箇条書きでメモします。

・当時のカフカ、カミュほかの影響下で、シュルレアリスムの影響が大きい。ラストでカネゴンがロケットのように打ち上げらけたり、パラシュートから金男が現れたりするのが面白い。
・カネゴンは、カフカのザムサの毒虫。
・円谷プロの特撮シリーズでは、怪獣もの以外の『怪奇大作戦』とか『ウルトラQ』が好きだった。特に「1/8計画」とか。「カネゴンの繭」のような子供の潜在意識にお金への執着が強いことだという意識を埋め込むような、現代的なドラマを円谷プロには作って欲しい。
・カネゴンの造形は、成田亨の天才的仕事、というより天才の仕事。
・異物が生活空間に居ることに違和感を持たない。現在は正義という名の下に事象や他人を否定することで異物を排除してしまう。
・子供にとっての何物でもない土地としての空き地をうまく描いている。
・僕はドラえもんで唯一損をしたクリエーター。2千万円の赤字。(ドラえもんの芝居を制作したのが、赤字だったらしい)
・今は、クレーマーの時代、SNSで「正義の言葉」を語る人間が増えた。誰も否定できない様な「正義の言葉」を語ることで、自己主張する人達が増えた。アメリカでは、これを「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアー」と呼んでいる。

71491010_2356652627997651_10388026945437

◆森永卓郎のトークから
・自分が経済学をやることになった原点。本来は金は、労働の対価として得られるもの。資本を回して稼いでいるだけの金の亡者が多くなっている。特に六本木周辺に住む、金融資本で稼ぐ人たち。カネゴンはそのアンチと考えられる。
・そうした金持ち層は、労働者を設備投資と同じ物として捉えている。
・自分の息子も禿鷹ファンドに一時居た。カネゴンのDVDが出てなかったので、見せることができず、教育に失敗した。
・カネゴンの足で光っているランプは、足元に落ちているお金を見るため。

◆関連リンク
ウルトラマン温故知新を語る 森永卓郎、鴻上尚史が「カネゴン」から学んだこと

" カネゴンがお金を食べても食べてもきりがないため友達が離れていくシーンについて聞かれると、「これがお金中毒なんです」ときっぱり。「お金お金と言っているとカネゴンになっちゃうぞ。これが私の人生の第一歩」と、自身の金融観に大きな影響を与えたことを明かした。

 最後に森永氏は「カネゴンというのはイソップと並ぶ日本の最高傑作の寓話だと思っている」と強調した。"

|

« ■感想  ジョン・クラシンスキー監督『クワイエット・プレイス』 | トップページ | ■情報 KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ■感想  ジョン・クラシンスキー監督『クワイエット・プレイス』 | トップページ | ■情報 KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』 »