■感想 パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』
オールド・ボーイ 日本語予告
今更ながら、パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』初見。
素晴らしく映画的な傑作でした。カンヌでタランティーノが審査員特別グランプリ
に選ぶだけのことはある傑作。タランティーノの諸作よりもむしろ映像による映画的語り口は上を行くのではないかと思ってしまう。冒頭から特に前半、主人公が外に出るところまでの、映画としての映像の鮮烈さは本当に素晴らしい。
このところ幾つかの韓国映画を観て、今まで食わず嫌いであまり観てこなかった不明を恥じるばかりです。韓国映画ファンの皆さんには何を今更と笑われるのでしょうが、、、。
かなり無理のある展開でスリリングな前半。
それでもそれらが見事に収斂するクライマックス。原作の漫画と大筋は変わらないらしいので、原作の成果なのかもしれないが、奇妙な前半の事件設定から、主人公が真相を知っていく過程、物語の情動の動き、本当に見事としか言いようがない。映画としてのオールタイムベスト10級の作品なのかもしれない。
後年、スパイク・リーがハリウッドでリメイクしているとのことだけれど、この空気感は東洋の映画でないと表現できない湿気を含んだものではないだろうか。どんな映画になっているか、興味半分で観てみたいものである。
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