■感想 NHK BS4K『ウルトラQ』デジタルリマスター
特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その4〜
将来を見据えて、最高のデジタルネガティブに仕上げた
"――「あけてくれ!」は難しいでしょうね。結構コントラストのバランスがたいへんでしょう?
隠田 一枚の画面で上側をロマンスカーが走っていて、下側の景観と合成しているカットなどは、合成技法を工夫してビルの陰影を表現してあり、コントラストの具合に悩みました。しかし、当時の技術の中での表現を壊してまで変えるものではないと思っていたので、そこはオリジナルのよさを残しています。
――ちなみに円谷ファンとしては、『ウルトラQ』以外の作品も4Kで観てみたいと期待しているのですが、そのあたりはいかがでしょう?
隠田 今回のようにデジタルネガといえるデータを作っておくことはたいへん意味のあることですから、4K化には取り組んでいきたいと思います。ただ、『ウルトラマン』は合成部分は35mmですが、ドラマ部分は16mmフィルムを使っています。16mmのスペックと4Kの相性の研究は必要だと思います。一方でHDRは絶対に有効ですから、やる価値はあるでしょう。その場合もカラーのネガフィルムが残っていたら、ではありますが。"
NHK BS 4K 『ウルトラQ』(再放送)が今週の「あけてくれ!」で最終回になってしまいました。4K DIGA導入が19年12月だったので、20話からしか録れてないので是非再放送して欲しいものです。
この番組、リンク先にある様に、オリジナル35mmネガフィルムからのスキャンとのこと。以前にも書いたけれど、素晴らしく鮮明で高精細。
その鮮明さは、まるで 佐原健二さんや桜井浩子さん、江川宇礼雄さんが若返って、昨日4Kデジタルカメラで撮ってきた様なクリアさ(モノクロではありますが、、、)。高山良策氏による怪獣の造形のディーテールも素晴らしいです。
1966年の作品が35mmでここまでクリアになるんだったら、1954年の『七人の侍』とか1961年の『用心棒』とか、今まで見ていたのは何だったんだろうクラスの鮮明映像が現れることを期待してます。
4KはNHKでも再放送ばかりでコンテンツに困っている様だから、文化的資産を残すためにも、過去の35mmネガフィルムの4Kデジタイズをもっとどんどんやって欲しいものです。
ウルトラQ 4Kリマスターにも欠点はあります。圧縮で動きが速いところはブロックノイズらしきものが結構ひどく出てます。2K番組では観たことないレベルだったので、これは4K放送の圧縮率が高い弊害かと思います。
◆関連リンク
・このリンク先は「あけてくれ」脚本の小山内美江子さんと登場した電車ミニチュアの写真。ミニチュアは現存する様ですね。
・特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その1〜 モノクロ作品をより活かすために、HDRが活用されていた
・特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その2〜 桜井浩子さんも驚いた、4K映像ならではの“本物感”
・特撮ファン必見! 4K版『ウルトラQ』が凄い理由〜その4〜 将来を見据えて、最高のデジタルネガティブに仕上げた
・『ウルトラQ』のUHDブルーレイは、確かに4K放送版を超えた! モノクロ&モノーラルがここまでのクォリティを備えたことは歴史的快挙と呼びたい
さらにUHDブルーレイパッケージ版は凄いらしい(本当かいなw)
・『七人の侍』4Kリマスター版
現在、午前十時の映画祭で『七人の侍』4Kデジタルリマスター版上映中ですね。しかし以下の記述を見ると2016年のリマスター版の様なので、以前の午前十時の映画祭での上映と同じものの様です。
あまり鮮明だった記憶はありません。フィルムの保存が円谷プロより良くなかったのでしょうか。
加えて残念ながらオリジナルネガは現存してない様ですね。
・Seven Samurai - The Criterion Collection (七人の侍 クライテリオン版 Blu-ray 北米版)
『七人の侍』クライテリオン版 観たことないですが、こちらに画面写真が比較で載ってます。(この写真から判断するのは無謀ですが) 午前10時で観た印象と比べて、今回のウルトラQはレベルが違う気がするしてます。
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