■感想 ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』
各国で大絶賛の嵐!『オクジャ/okja』特別映像 コメント編
ポン・ジュノ監督『オクジャ/okja』Netflix初見。
冒頭のオクジャと少女ミジャの交流が素晴らしい。韓国の山岳地帯の村の美しい光景が見事なショットで撮られている。カメラがどのシーンも緊張感があってとてもいいですね。
撮影監督は『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』『セブン』のダリウス・コンジ。ポンジュノ監督もジャン=ピエール・ジュネのファンなんでしょうね。
オクジャが少女に甘える様、まるでうちの猫がじゃれついてくるのと同じできっとポンジュノも猫飼ってるんじゃないかと思わせる“溺愛”のショット。
物語展開もエンタメ映画の王道的で、更には韓国的お国柄がうまいスパイスになっていてなかなか面白い。
Wikipedia によると、「自然の描写は宮崎駿作品に影響があるとジュノは公言。『未来少年コナン』の女の子版だと考えたことがあると発言している。オクジャを世界にお披露目するニューヨークでのパレードは押井守監督の『イノセンス』をイメージしていたと語る」とのことで、こちらの琴線に触れまくるのはこんなルーツが大きく影響してるんでしょうね(^^)。
『オクジャ/okja』を奇想映画として観てみると、残念ながら奇想度合いは些か低め。
この生物の存在を、知性を持たせる形で描き出した訳だから(特に冒頭の崖で危機を救うシーン)、それを食用にするといった流れの話で、イメージとしての膨らませかたはいろいろ手があったのではないかと思ってしまう。
『スノーピアサー』を観ても、ポン監督はそうした方面での飛躍よりかは、万人に分かるエンタメへ向かう思考が強いのかな、と思ってしまった。後観ていない数本も楽しみです。
◆関連リンク
・ポン・ジュノ、宮崎駿や押井守から影響受けた「オクジャ」引っさげ来日
" ポン・ジュノは、ミジャについて「『未来少年コナン』の女の子バージョンだと考えたこともあります。ミジャもコナンのようにずっと走り続けていて誰にも止められない」と説明する。
「影響を受けたのは宮崎駿監督だけではない」と述べるポン・ジュノは「先日オーストラリアでジョージ・ミラー監督とお会いしたのですが、彼が監督した『ベイブ』にもインスピレーションを受けています。ブタが主人公ということ、そして自然の中で暮らしていた動物が都会に出ていくというストーリーもです」と明かす。続けて「オクジャとミジャがニューヨークの真ん中で行われているパレードを訪れるシーンは、純朴な者たちが資本主義の心臓部とも言える場所にいるという状況を生み出した。そこは押井守監督による『イノセンス』のパレードのシーンを参考にしました」"
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