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2020.03.18

■感想 サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』


How '1917' Was Filmed To Look Like One Shot | Movies Insider

 サム・メンデス監督『1917』@ミッドランドスクエアシネマ初見。

 評判の超絶な撮影技巧とそれによって生まれる臨場感はただならない雰囲気を映画画面に漲らせていた。確かにこれによって生み出される緊迫感、リアリティはなかなかのもの。


 と一定の効果は認めつつも、何だか僕は撮影技巧の凄さを一旦忘れて映画としての完成度というところに視点をおいてもう一度、頭の中で再生してみたw。

 その視点からいくと、映画自体のコンセプトとストーリーとルックは、実は何だかどこかで観たことのあるシーンで構成された映画の様な気がしてしまう。

 映画が映像とその時間の流れで表現するエンターテインメントであることから、前者の視点が重要である事は理解できるが、一本の映画としては後者の見方で佳作とは思うが、傑作とは感じられない自分がいましたw。

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 こうした取り組みに似たアプローチとして、僕は京極夏彦の諸作でのページごとに改行を完結させ、次のページへ各センテンスをひきづらない様にする文章構築技法を想起する。

 その技巧自体は凄いのはわかるが、それが小説の感想に影響しているのか!?という疑問。これをこの映画と同列に並べるのは変なのだろうか??


 ワンカットチックに描いた作品としては、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が真っ先に思い浮かぶが、あの作品の描いたテーマの斬新さとそれを表現するために採用されたワンカットチックな画面構成の素晴らしさにどうしても軍配を上げたくなってしまう。奇想イメージが好きな僕の贔屓目があるにしても、、、。

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