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2020年6月

2020.06.29

■動画 湯浅政明監督『日本沈没2020』OP

 


『日本沈没2020』OP(歌詞入り特別ver. )|主題歌:「a life」大貫妙子&坂本龍一

「日本沈没2020」主題歌は大貫妙子&坂本龍一の名曲「a life」湯浅政明監督によるOPも公開(Anime! Anime!)

" 湯浅政明監督は「a life」について、「透明感、日常感がありながらも、地に足がついた素敵な曲でした」とその印象をコメント。
オープニング映像については、「殺伐とした天変地異後の暗い本編とは対照的な、明るい爽やかな朝のルーチンを毎回見ることで、失ったものの尊さを感じてもらえると良いと思いました。朝の光、柔らかい布団や温かい飲み物、自然の風景や小動物のクローズアップを、記憶の中にある様に柔らかいタッチで断片的にオーバーラップしながら、透明感ある白い光の中に描きます」との演出意図を明かした。"

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 湯浅政明監督『日本沈没2020』のOP曲。今までの日本沈没の、どちらかというと重厚な感じに対して、日常感を大切にしたとてもライトな楽曲。新しい『日本沈没』の予感に満ちています。

 20年7月9日より、Netflixにて全世界独占配信とのこと。湯浅監督の新しい感覚の日本沈没、世界でヒットすることを祈念します。

◆関連リンク
当ブログ 『日本沈没』関連記事 Google検索リンク

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2020.06.24

■感想 SpaceX クルードラゴン有人宇宙船 ミッション成功

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Elon Musk Fans (facebook)
SpaceXのCrew Dragon宇宙船がISSとのドッキングに成功

 つい先日、SpaceXの宇宙船がISS:国際宇宙ステーションにドッキングし、大成功をおさめました。
 それに伴い、各種の写真が公開されていますが、冒頭に引用した画像が、なかなかクール。

 打ち上げブースターが地球に帰還し、その傍らに立ついーロン・マスク。
 この着陸後のロケットノズルの焦げ感に萌えます(^^)! イーロン、未来をグイグイ創造してますね!
 そして右のブースター全景も良いですね〜〜(^^) このお焦げがたまりません。

Does anyone remember these moments ? (facebook動画)

 リンク先に動画があるけれど、ここのロケットブースターの垂直着陸の動画も素晴らしいです。

 テスラで電気自動車の世界的なブームを創り、さらにはこうして民間宇宙産業をグイグイと自らの現場でのリーダーシップで創り出していく、この情熱。フューチャリストとしての姿勢に痺れます。

 今後も目が離せません。

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2020.06.22

■感想 二足歩行ロボット PLEN .D 制作記

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 Facebookのロボット関係のグループで教えてもらったDMMの二足歩行ロボット(通販激安。定価18万円が約9千円で購入)を日曜の朝から組み立て開始。
 
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 この様に多くの部品から構成、18自由度で動き、ギア内蔵のサーボモータユニットと骨格、ボディを細かいネジで留めていく。M2のマイクロなネジ締めは結構、繊細な作業で神経を使う。マニュアルはUSBメモリで同梱されていて、PCの画面でみながら組み立てていく。よく見たいところは拡大して見られるので、この辺りはありがたい。

 そして組み立て始めて、約2時間、以下の様にほぼ全体が組み上がり、まずはここで組み立ての間違いがないかのチェックも兼ねて、テスト駆動を試すことにした。

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 コントローラの電源を入れて、モータへの通電をON。何とスムーズに動くはずが早速のトラブルに遭遇。

 電源を入れると添付3枚目の写真のように、凄いスピードで脚がえびぞった状態になって、痙攣状態。
 モーターに通電し続けるようなウィーンという音がして正常に動きません。モータにはロック電流が流れている気配で、すぐに温度上昇してしまいそうで、スイッチを即切るしかありません。

 配線等の間違いがないことも何度も確認したのに原因不明…。

PLEN.Dのトリム調整で通信できないときに確認すること

 何かトラブルに遭遇している人はいないかと、Twitter検索してみると、上記サイトが見つかる。
 ここに書かれている様な対応、サーボモータの初期位置のトリム調整も、このサイトを参考に実施してみたが、調整はできている様なのに、症状は相変わらずのロック電流による痙攣動作。

 トリムを PLENUtilities から実施して“HOME”ボタンを押すと基板の電源ランプ横の緑のLEDが、“HOME”ボタンを押すたびに光っていて、問題なくトリム指示はできてるようなのに…。

 基板の故障を疑って、ショップにメールしたところです。苦労して組み立てたので、動かしてみたかったのに、今週末はお預け状態。
 来週こそはしっかりと動いている動画をアップしたいものです。

 それにしても投げ売り状態のこの製品、定価の18万円というのは、数量が出なくてこんな値段なのでしょうが、モータユニットやその他細部の作りもなかなかしっかりしていて、この値段はありがたいというほかありません。

 次週へ続く、、、。

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2020.06.17

■感想 デヴィッド・ロウリー監督『ア・ゴースト・ストーリー』


DARK ROOMS - I GET OVERWHELMED "A GHOST STORY" music video

 引用動画は、挿入曲のMVです。予告篇よりネタバレしてるので御注意を。

 デヴィッド・ロウリー監督『ア・ゴースト・ストーリー』、WOWOW録画見。
 全く前知識なしに観たけれど、タイトル通りの幽霊の物語で、この魅力的なシンプルさは貴重です。途中出てくる作家(?)の人類の滅亡と再生を語る言葉と、映像の時空を超える試みが一種哲学的な趣きを醸し出しています。

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 幽霊はほとんどのシーンで、ボーと意識を浮遊しているかの様に描写されています。時々ふと我に帰った時の映像を記録した様に語られる物語。この浮遊感は、観客に幽霊の一人称を体感させる様な構造をもたらして、独特な体験が得られる。

 リンク先は、この映画の中で重要なキーとなる楽曲。
 この揺蕩う様な音と、重層的な詩が映画を奥深いものにしている。

『ア・ゴースト・ストーリー』:デヴィッド・ロウリー監督インタビュー
 こちらは監督インタビュー。アスペント比1.33:1のほぼ正方形の画面のことも触れられている。これは僕にはまるで8mm自主映像の様な雰囲気を感じさせて、なかなかでした。

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2020.06.15

■短篇 ティム・イーガン監督『カーブ』 Tim Egan "CURVE"

CURVE from Lodestone Films on Vimeo.

 最近、SNSで話題になっていた2016年のオーストラリアの短篇です。
 リンク先のVimeoで全篇10分間の恐怖が体感できます。
 これはうじゃうじゃ感想や解説する必要もないので、是非、観てみてください。

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 こんな恐怖映画短篇が一生に一度で良いので、撮ってみたいものです(^^)。
 この短篇が素晴らしいので、蛇足と思いつつもティム・イーガン監督には是非とも長編を撮って欲しいものです。

 この暗闇の向こうには何があるのか、想像力を刺激して止みません。
 『ツイン・ピークス ザ・リターン』のリンチが描いたあの海の映像を想起したのは僕だけでしょうか。

Tim Egan "CURVE"(IMDb)
 主演はローラ・ジェーン・ターナーLaura Jane Turner(IMDb)。

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 こんな舞台裏の写真もIMDbには掲載されています。セットなんでしょうね。

◆関連リンク
Tim Egan (IMDb)
 もともとはテレビシリーズのエディターの方の様ですね。監督作はこれと2011年のテレビシリーズ"The Bazura Project"の6本だけの様です。映画の歴史を描いたコメディのシリーズの様です。

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2020.06.10

■比較 スパイク・リー監督『ドゥ・ザ・ライトシング』('89) と高城剛監督『バナナチップス・ラブ』('92)

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 ということで映画の感想を書き終わったので、補足として『バナナチップス・ラブ』との比較を覚書。

 先日の『ドゥ・ザ・ライトシング』の感想で書いた様に、スパイク・リーがブルックリンを切り取った映像手法は、とても斬新でポップ。特徴としてはヒップ・ホップとジャズのBGMにのせて、カメラを斜めにして手前に人物を配し、俯瞰で街や人物を捉えたカットが独特(上の引用画像)。

 そして早口のDJの幕仕立てるテンポの良いお喋りと、マルコムXとキング牧師のブロマイド売りの青年の吃音というセリフの音楽的なタッチ。NYの色鮮やかな雑踏と人物の対比の映像。
 これらが高城剛をインスパイアして、『バナナチップス・ラブ』を撮らせた源泉であるというのが、とてもよく分かる。

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 『バナナチップス・ラブ』の画像。左がおかまの双子。右がスパイクの弟 サンキ・リー。

 そして高城が追加したのは、オカマの双子に「サザエさん」の様なセリフを呟かせ、キンズバーグやティモシー・リアリー、ウィリアム・バロウズ(確かバロウズも出たよね?ちょっと記憶が定かでないw)といった当時のカウンターカルチャーの神々をドラマに登場させ、DJをヘリコプターからFM中継するスカイトップ:フライングパンサーレイディオ108FMという躍動感ある映像にパワーアップして描き出した、世紀末のサブカルシーンの数々である。

 さらに物語は当時の日本のトレンディドラマなストーリーも包含していて、それを時に切ない藤原ヒロシの音楽で包んだところが、スパイク・リーのポップでシリアスな映画に対して、高城がオリジナリティを発揮した部分だと思う。

 というわけで、それを確認するため、現代の眼でもう一度、録画してある『バナナチップス・ラブ』見なおして観ますね(^^)。

◆関連リンク
・当ブログ記事
 ■高城剛監督『バナナチップスラブ』BANANACHIPS LOVE

 

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2020.06.08

■感想 スパイク・リー監督『ドゥ・ザ・ライト・シング』

 スパイク・リー監督『ドゥ・ザ・ライト・シング』 Amazonプライム初見。
 実に恥ずかしいことにスパイク・リー作品は初めて。この映画のVHSソフトをパッケージのカッコ良さでレンタル落ちのものを買ってあったのに、何と積読になっていたという、、、。
 で、今回のアメリカの事件と運動に関連して、初めて観てみたという訳です。

 まず思ったのが、高城剛監督が深夜ドラマ『バナナチップス・ラブ』(1992)において全篇ニューヨークロケで描いたいろんなシーンが、『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)にインスパイアされた(パクリとも言うw)ものだったんだ ! ということ。
 当時、あのドラマの斬新さに凄く刺激を受けてしばらく高城剛をネットとかテレビで追いかけていたことがあるんですが、そのルーツが『ドゥ・ザ・ライト・シング』だったとは !

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 画像は『バナナチップス・ラブ』より。

 『バナナチップス・ラブ』にはスパイク・リーの弟 サンキ・リーがレギュラーで出ていたので、まさにインスパイアということなのだろうけれど、今回、僕が観た印象は、高城剛の演出の方が、スパイク・リーよりもエッジが効いていたんじゃないか、ということ。
 ここは一度、録画してある『バナナチップス・ラブ』を再見して確認してみないと。

◆ 本篇感想
 というわけで、ここからまずこの映画の感想です。
 ブルックリンの黒人街の、街の人々の個性が素晴らしい。

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 「市長」と呼ばれるホームレスの老人とおばあちゃんとの掛け合い。街をたむろするラッパーたち。日がな一日ダベっている3人の中年。ラジカセを大ボリュームで流す若者。そして一日12時間話し続けるDJ。

 こうした魅力的な黒人たちの生活と、対比して描かれるピザ屋のイタリア系アメリカ人の親子。間を往還するスパイク・リー演じるピザ屋の不良アルバイト ムーキー。

 ラップとジャズの軽快な音楽とともに、コミカルにそして斬新な映像と独特のリズムある編集で描かれるブルックリン。所々に挟まれる白人との緊張感。そして迎えるクライマックスの悲劇。

 ここで描かれているのは、2020年の現実にミネアポリスで起きた警官による黒人殺人事件と比べると、明らかな差別による殺人というよりは、もう少し日々の小さなヘイトの積み重ねによる、ある意味偶発的な悲劇である。それは映画冒頭から描写されている異常なNYの暑さが人を狂わせた結果でもあるかの様に、この映画では描かれている。

 こうした描写は、もしかすると現実のシビアな迫害を映画というエンターテインメントの中に格納するためにスパイク・リーが選んだ手法なのかもしれない。

 この当時と今を比べた時の差別の度合いがどの程度、温度差があるのか、僕にはそうした知識はないが、当時ここまで描いたことは、相当な勇気を伴った行動だったのだと思う。

 以降、現在まで続けられている警官による殺害。
 スパイク・リーが今回の事件でどういうコメントを出しているのかも知りたいと思った。

◆関連リンク
スパイク・リー監督、白人警官の黒人殺害事件を受けてショートフィルムを発表「歴史は繰り返されている、今の出来事は新しいものではない」
 『ドゥ・ザ・ライトシング』の感想を書いたのだけれど、調べてみたら、今回のミネアポリスの事件に関して、スパイク・リーのコメントが以下のページにまとめられていました。
Spike Lee (twitter)
 そしてtwitterでスパイク・リーが編集したショートフィルムが、以下の言葉とともに公開されています。

"3 Brothers-Radio Raheem, Eric Garner And George Floyd."

 ラディオ・ラーヒムは『ドゥ・ザ・ライトシング』の登場人物です。

 

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2020.06.03

■感想 イ・チャンドン監督/村上春樹原作『バーニング 劇場版』


버닝 / BURNING, 2018 予告篇
 イ・チャンドン監督/村上春樹原作『バーニング 劇場版』WOWOW録画見。
 95分のNHK放映版は吹替で観たのだけれど、こちらは148分字幕版で初見。

 どちらが良かったかというと、観た順番の影響かもしれないけれど、圧倒的にNHK放映版が良かった。
 これも『パラサイト』とか『グエルム』にもつながる、韓国の貧困社会を描いている。作家志望の主人公と、対比して描かれる御曹司的人物の対比。

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 ポルシェで北朝鮮国境近くの農村を訪れる御曹司と農村出身の幼なじみ。
 この農家での夕闇のシーンは、何度観ても息を飲む様な美しいシーンになっている。ここの黄昏のアンニュイな魅力が、本作の幻の様な謎と共鳴する映画のコアと思われるのだけれど、『劇場版』はその昼と夜のあわいの様なマジックアワー的な物語に、ある種の決着を付けているために、想像力のみで構成されたNHK放映版の深みに迫れていない様な気がしてしまう。

 NHK放映版の後に残る圧倒的な余韻に僕は軍配を上げます。

 イ・チャンドン、まだこの一本しか見ていないため、後の作品を辿るのがとても楽しみです。

◆関連リンク ・当ブログ記事 感想 イ・チャンドン監督『バーニング』NHK放映版

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2020.06.01

■感想 園子温監督『自殺サークル』


園子温監督『自殺サークル』予告篇
 WOWOW録画見。観てなかった様な気がしていたのだけれど、2回目の鑑賞でしたw。
 
 最近、少し迷走している感のある園作品、2002年に制作された、この作品はそうした要素も過剰にはらみながら、でもインパクトのあるシークェンスが素晴らしく、全体的には見せる作品になっている。

 特に冒頭の新宿の54人と、大阪100人。そして学校の屋上シーン。
 強烈なインパクトを持つ、映画的シーンだと思う。この発想から始まった映画なのだと思うけれど、ここの強度は素晴らしい。まさに世界のどこにでもある、生と紙一重の死。

 永井豪「ススムちゃん 大ショック」を思い出す、母親が大根と一緒に指を切っていくシーン。
 そして子供の声で語られる「あなたとあなたの関係は?」という園の詩的言語。
 「あなたと、あなたの奥さんの関係 、わかります。あなたと、あなたのお子さんの関係、わかります。では、あなたと、あなたの関係は?」「いま、あなたが死んで、あなたと、あなたの奥さんの関係、残ります。いま、あなたが死んで、あなたと、あなたのお子さんの関係、残ります。いま、あなたが死んで、あなたと、あなたの関係はどうなりますか?あなたは、あなたの関係者ですか?」

 このあたり、川又千秋の言語SF『幻詩狩り』を思い出す様な、詩による死が描かれている。映像的表現と言語のセッションは園独特の映画空間を作り出している。

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 人の皮を巻いた、機械な束。
 ボーリング場のイカれた「鈴木宗男」は何を描きたかったのか。
 DESERTってアイドルグループは何?
 この辺りの暴走度合いは首を傾げる部分があるけれど、先に書いた印象的なシーンたちの前で、それらもある種の効果/独特の園映画の要因として機能している。

 予算も少なそうで、画面構築は映画として甘いシーンも多いのだけれど、わい雑さが魅力的な一本。

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