■感想 イ・チャンドン監督/村上春樹原作『バーニング 劇場版』
버닝 / BURNING, 2018 予告篇
イ・チャンドン監督/村上春樹原作『バーニング 劇場版』WOWOW録画見。
95分のNHK放映版は吹替で観たのだけれど、こちらは148分字幕版で初見。
どちらが良かったかというと、観た順番の影響かもしれないけれど、圧倒的にNHK放映版が良かった。
これも『パラサイト』とか『グエルム』にもつながる、韓国の貧困社会を描いている。作家志望の主人公と、対比して描かれる御曹司的人物の対比。
ポルシェで北朝鮮国境近くの農村を訪れる御曹司と農村出身の幼なじみ。
この農家での夕闇のシーンは、何度観ても息を飲む様な美しいシーンになっている。ここの黄昏のアンニュイな魅力が、本作の幻の様な謎と共鳴する映画のコアと思われるのだけれど、『劇場版』はその昼と夜のあわいの様なマジックアワー的な物語に、ある種の決着を付けているために、想像力のみで構成されたNHK放映版の深みに迫れていない様な気がしてしまう。
NHK放映版の後に残る圧倒的な余韻に僕は軍配を上げます。
イ・チャンドン、まだこの一本しか見ていないため、後の作品を辿るのがとても楽しみです。
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