■比較 スパイク・リー監督『ドゥ・ザ・ライトシング』('89) と高城剛監督『バナナチップス・ラブ』('92)
ということで映画の感想を書き終わったので、補足として『バナナチップス・ラブ』との比較を覚書。
先日の『ドゥ・ザ・ライトシング』の感想で書いた様に、スパイク・リーがブルックリンを切り取った映像手法は、とても斬新でポップ。特徴としてはヒップ・ホップとジャズのBGMにのせて、カメラを斜めにして手前に人物を配し、俯瞰で街や人物を捉えたカットが独特(上の引用画像)。
そして早口のDJの幕仕立てるテンポの良いお喋りと、マルコムXとキング牧師のブロマイド売りの青年の吃音というセリフの音楽的なタッチ。NYの色鮮やかな雑踏と人物の対比の映像。
これらが高城剛をインスパイアして、『バナナチップス・ラブ』を撮らせた源泉であるというのが、とてもよく分かる。
『バナナチップス・ラブ』の画像。左がおかまの双子。右がスパイクの弟 サンキ・リー。
そして高城が追加したのは、オカマの双子に「サザエさん」の様なセリフを呟かせ、キンズバーグやティモシー・リアリー、ウィリアム・バロウズ(確かバロウズも出たよね?ちょっと記憶が定かでないw)といった当時のカウンターカルチャーの神々をドラマに登場させ、DJをヘリコプターからFM中継するスカイトップ:フライングパンサーレイディオ108FMという躍動感ある映像にパワーアップして描き出した、世紀末のサブカルシーンの数々である。
さらに物語は当時の日本のトレンディドラマなストーリーも包含していて、それを時に切ない藤原ヒロシの音楽で包んだところが、スパイク・リーのポップでシリアスな映画に対して、高城がオリジナリティを発揮した部分だと思う。
というわけで、それを確認するため、現代の眼でもう一度、録画してある『バナナチップス・ラブ』見なおして観ますね(^^)。
◆関連リンク
・当ブログ記事
■高城剛監督『バナナチップスラブ』BANANACHIPS LOVE
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