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2020.07.01

■感想 若松節朗監督、伊藤和典,長谷川康夫脚本『空母いぶき』


『空母いぶき』第二弾予告映像【90秒】

 若松節朗監督、伊藤和典,長谷川康夫脚本『空母いぶき』WOWOW録画初見。

 これはSFX、アニメ界隈であまり評判になっていなかったけれど(僕が知らなかっただけか)、なかなか迫力の戦闘アクション映画になっていた。シナリオの伊藤和典氏の功績なのか、『パトレイバー』や『シン・ゴジラ』の成果を踏まえて、真面目に自衛隊初の「防衛出動」を丁寧に描いた佳作になっていると思う。

 そして現代の兵器による海上戦闘アクションが映える。ミサイルや魚雷の最先端の軍事技術については全く暗いので、どの程度、リアルなのかは分からないけれど、その戦闘シーンはなかなかの迫力だったと思う。

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 原作は時々喫茶店で掲載誌をパラパラと見た程度しか(ほとんど何も)知らないのだけれど、敵国が中国に設定されていて、きな臭い印象が強かった。それに対して、映画は、架空の国家「東亜連邦」を敵として描いているために、より純粋に自衛隊の戦闘問題を集中して描けていて、興味深い。

 もちろん現実に戦争は起きて欲しくないけれど、戦争映画にはワクワクしてしまう。いつまでも架空シミュレーションとしての戦争映画を楽しんでいたいのだけど、この映画は現代の自衛隊の戦争シミュレーションとして特上のものかもしれない。

 一部では評判の悪い、あまりストーリーに絡んでこないコンビニシーンも、伊藤和典脚本のコメディパートとしてみれば、緊迫したシーンが連続する本篇と対比して、平和で脳天気な日本を描いていて、なかなか愛着が湧くのである。

◆関連リンク
かわぐちかいじ原作、初の実写映画化!『空母いぶき』浅野秀二(VFXプロデューサー)インタビュー
 IMAGICAの浅野秀二氏のインタビュー。なかなか興味深いです。

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