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2020.08.19

■感想 中島哲也監督『来る』『渇き。』


映画「来る」予告  

◆中島哲也監督『来る』
WOWOW録画、初見。

 僕は中島哲也監督とはとても相性が良い様で、今のところ、ハズレがない。今回もなかなかの秀作。

 これ、中島版『童夢』というタッチ。パッと見の共通項は、団地(こっちは正確にはマンションだけど)と市井の能力者くらいだけれど、細部の画角、後半の展開の盛り上がり方等々、そこかしこに大伴タッチが息づいている。

 物語の捻りとか、キャラクターの幅(柴田理恵の能力者 逢坂セツ子、小松菜奈の風俗嬢の異能者 比嘉真琴、青木崇高の民俗学者 津田大吾とか)は、こちらが厚め。これによる映画の魅力はあるけれど、やはり大友ファンとしては、この映画の制作費があれば、そのまま『童夢』を映画化して欲しかったと思うw。 

 物語は異界との境界が曖昧になり、現実が侵食していく様、街の様相が変形していく様がなかなか見事に描かれていて、エキサイティング。
 ラストの戦いをもっとねちっこく総力戦で描いてくれていたら、、と思わずにはいられないけれども、これは大友ファン必見の作品です。
 やはりこうして中島監督作を観てくると、当初計画のあった中島哲也監督版『進撃の巨人』も観てみたくなる。

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◆中島哲也監督『渇き。』@ Netflix 初見。

 凶悪な役所広司の芝居、大平晋也の叙情的アニメーションを観たい方にお薦め。特に大平アニメーションの効果的使い方はなかなかのものです。

 それにしても『来る』の大友克洋に続き、こちらはタイトルバックとクライマックス(殺しのテンポとか)からタランティーノ、物語と途中の音楽から『ツイン・ピークス』のディヴィッド・リンチを思い出させる。特に後者の音楽は、一曲モロ『ツイン・ピークス』的テーマがあり、リスペクト盛り盛り。

 半ば、役所怒り演技の悪夢の中を旅する様な、まさに「クソ」映画。
 あのテンションに着いていけないと、つら〜い映画ですね。あれに乗れる人には最高映画、そして乗れないと最低映画でしょうね。

 今回も『来る』に続き、クリスマスイブが惨劇に対比して執拗に描かれている。何かトラウマあるんですかね。
 僕は乗り切れなかったけれど、でも一定以上のレベルで楽しめました。基本嫌いじゃないけれど、ちょっとやりすぎでは感があるというか、、、。

◆関連リンク

『渇き。』のアニメシーンを手掛けた大平晋也(『ピンポン THE ANIMATION』)&STUDIO4℃ 起用のきっかけは逆オファー

" STUDIO4℃の作品の監督を依頼したら逆に映画のアニメーション部分を依頼され、自由にしていいと言いながら口を出してきたなんて、なんとも中島監督らしいフリーダムなエピソード。水中のゆがみがある中、実在の俳優さんに似せるという「天才のなせる技」には激しく納得です。"

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