①エヴァの登場人物内面ストーリーは僕は最初から関心の少ない所なんですが、シンジ君のビルドゥングスロマン的には、見事な終焉だったと思います。TVシリーズで混沌の中、あのようになったラストを、『The End of エヴァンゲリオン』では(僕は傑作と思ってますが...)一応の収拾を図っていたのですが、何だかこの内面ストーリーの視点からはモヤモヤがどうしても残ったのでしたが、今回は父子の関係やシンジ周辺人物との決着も見事だったのではないでしょうか。あまりに見事すぎて少し予定調和的にも見えて、あの混沌が懐かしいという気持ちも湧いたりして、、、w。
上記②にも少し関係するけれど、エヴァの中心SFテーマである「人類進化」の観点の感想をネタバレで以下、メモしたいと思います。 以前、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(というより『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』の方がしっくり来ますが)に関連して感想を書いたことがあったけど、やはりA.C.クラーク『幼年期の終わり』との関係は書いておくべきかと、、、。
『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』において、人類意識の集合体化というのを映像で見せて、最後にアスカの「気持ち悪い」で『幼年期の終わり』のオーバーマインド完全否定を描いた庵野秀明総監督、今回はこの「気持ち悪い」という言葉を使わないで、同様の否定的なシーンを描いた。今回はエヴァインフィニティが津波のように人類の魂を飲み込み同化するシーンとして描かれている。ここで津波のいめーじを使ったのは、正に上で述べた②の311後の描写で、「気持ち悪い」に変わる、オーバーマインド的な生命進化(諸星大二郎「生物都市」的というか)を否定的な視点で描いているのだと思う。これはゲンドウのカルト宗教的な描写にも顕著で、冒頭の第3村との対比で、見事に『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』で少し未消化に描かれていたテーマが、浮き彫りになっていたと思う。
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