■感想 アリ・アスター監督『ミッド・サマー』
MIDSOMMAR | Official Trailer HD | A24
アリ・アスター監督『ミッド・サマー』WOWOW録画初見。
前作『ヘレディタリー/継承』もでしたが、この監督の趣味の悪さは天下一品ですw。今回も、ストーリーも映像もそしてテーマも黒い黒い。気分が悪くなることは保証できます。映像の一部美しさは素晴らしいですが、僕はこの路線が続くんだったら、興味はあってもあまり積極的に観たい監督ではないかも。
多分に自分の実体験が導入されているらしいけれど、恋愛関係の不安定な状態を描くところも、スウェーデンの白夜の下の、コミューンの独特の生態にしても、どこか不自然さが漂う。前者は昨年のチャーリー・カウフマン監督『もう終わりにしよう』の深さはなく、後者も薄っぺらでとてもこのコミューンが数十年も社会として維持される感じがしない。要は実体験の負の経験を、異常な環境下で映像化しているということで、そのリアリティよりも異常さの描写に重点があり、人の心的な組み立てがどうにも自分には合わない感じ。加えてグロテスクなショック映像がさらに気分を悪くさせ、、、、。
とはいえ、映像的にはなかなかシャープで、そして面白い部分もある。特に僕が面白いと思ったのは、ダンスシーン等で表現されていた異界が覗くように、花々がグニャリと空間が歪んだような、活きて動いているようなシーン。幻覚であるという設定のシーンだと思うけれど、ここの表現はなかなか見物。
とはいえ、全体としては気持ち悪さが先に立つ、とやはり書きたくなってしまう。それでも次回作、きっと観てしまうんだろうな、、、とは思いつつも、、、、w。
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