■感想 マイク・フラナガン監督『ドクター・スリープ』
『ドクター・スリープ』US版メイン予告
マイク・フラナガン監督『ドクター・スリープ』WOWOW録画初見。
キングの原作は『シャイニング』しか読んでいないけれど、見事にキューブリック『シャイニング』と原作の橋渡しをして、きっちりとキング作品であり、キューブリックリスペクトもしているという、ある意味奇跡的な作品になっている。
僕が原作の橋渡しと思ったのは、キューブリックが品の良い(シンメトリーな)お化け屋敷と父ジャックの狂気に集中してほとんど描かなかった「シャイニング」能力について、本作は正面からテーマにしているところ。
もちろん原作『ドクター・スリープ』にも前者はかなりの比重で描かれているはず。キングの意向を汲み取った「シャイニング」描写がとても心地よく(?)、そして苛烈に描かれているのが好感。まさに「シャイニング」が主題となった映画で、こちらの方がタイトルとして『シャイニング』がふさわしい映画ではないかと思った。
この「シャイニング」描写と合わせて、オーバールックホテルのクライマックスの描写も原作リスペクトですね。
僕は『シャイニング』初見時、原作を先に読んでいたので、どうもキューブリック作に乗り切れなかったのですが、本作でその溜飲が下りた感覚です。
監督のマイク・フラナガンはキング原作の『ジェラルドのゲーム』も撮っているけれど、そちらもなかなか良かったので、キング作品のファンなのでしょうね。
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