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2021年6月

2021.06.15

■感想(ネタバレなし) 諫山創『進撃の巨人』18-34巻 ( 最終回 )

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 諫山創『進撃の巨人』18-34巻読了。

 もともと一昨年までは毎巻新しいのが出ると読んでいたのですが、年3冊ペースでストーリー展開に付いていけなくなってw、28巻で挫折していたため、最終巻が発売されたこの機に、遡って後半18巻から一気読みしてみました。

 すると(当たり前ですが)物語展開のスピードと時制が入り乱れる構成も何なくw、骨太の後半ストーリー展開を楽しむことができました。

 ネタバレなしで書きますと、前半17巻くらいまでのどうしようもない閉塞感に対して、後半は大きく物語が広がっていくのですが、その世界でもまた巨大な人の悪意の閉塞感に囚われていくという、出口のなさ感/徒労感が後半でもヒシヒシと登場人物たちの群像劇とともに体感させられます。

 最初の頃の絵のタッチに対して、シャープさを増した絵のタッチが、スピード感と迫力をダイナミックに表現していて、クライマックスの大きな奇想イメージに感嘆。広大なシーンの連続で、ここまであの巨人たちの物語がたどり着いたんだ〜という感慨もひとしおです。

 物語展開は、かなり広範囲に時間も空間も拡大したわけですが、当初からこの全体像は存在していた感じで、伏線も見事に回収されていて、作家の骨太の構想がここまで来て、全貌を読者に開示されたこと、素晴らしいと思いました。

 巨人たちのビジュアルは、これからアニメ化される29巻からの展開が映像の一大絵巻になっていく予感で、秋からの放映がまた楽しみになりました。
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 この写真撮った後、猫が気に入ったらしくこのまま1時間ほど本の上に居座りました。猫の寝床にもなる『進撃』w。

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2021.06.07

■感想 劉 慈欣著, 大森 望, 光吉 さくら ワン チャイ, 泊 功訳『三体III 死神永生』

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 劉 慈欣『三体III 死神永生』読了。
 ネタバレはしない様に書きますが、素晴らしいスケールの真っ向勝負のSFでした。I,IIからの期待を裏切らず、宇宙の深淵まで突き進んだ奇想SFの見事な大団円に感無量。


 劉 慈欣、片鱗は今までのI,IIでも充分に現れていましたが、今作上巻で炸裂するロマンティスト振りが素敵ですw。新海誠かくやという一大シチュエーションを骨格にして描かれる手際の見事さ。
 そのシチュエーションは、劉さんの徹底して突き詰めて深く探求していくSF的想像力のみが行き着ける非情な世界設定になっていて、その黒暗ぶりに今回も痺れます。

 下巻で炸裂する宇宙論を縦横無尽に使い尽くして描かれる超絶の光景。この奇想映像の極北は読者に想像力の限界を要求する、まさに今までに観たことのないイメージを脳内に展開させてくれます。
 Netflixが実写映像化するそうですが、ここまでの本格奇想SF映像は、世界の映画界でいまだかつて描かれたことのないものなので、いやがおうにも心配と期待が渦巻きますw。

 この映像化には、劉慈欣とケン・リュウがコンサルタントとして協力するとのことだけれど、変にヒーローものだったりラブロマンスだったりに比重を置くのでなく、真っ向勝負のSF世界を原作通りに描いてもらいたいものです。

 そしてラストに流れる、極上のSFのみが獲得するまさに時空を超えた詩情。小松左京『果てしなき流れの果てに』を想起するこの広大なビジョンがもしNetflixで描かれたら、それは本格SFが初めて真っ当にSF映像になる瞬間かもしれない。あまり大きくは期待しないで待ちたいものです(^^)。

◆関連リンク
【オンラインイベント】大森望×いとうせいこう 『三体』シリーズ完結記念

"本イベントはZoomウェビナー機能を使用してオンラインでライブ配信します

2021年 06月12日(土)  19:00 - 20:30 JST

六本木 蔦屋書店では、『三体』シリーズの完結を記念してオンラインイベントを開催します。
出演者にお迎えするのは、訳者の大森望さんと、同シリーズ愛読者であるいとうせいこうさん。
SFという枠を超えた極上のエンタテインメント傑作について語る機会を、どうぞお見逃しなく。

【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にてチケットをご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
お申込みの締め切りは6月12日(土)18:00までです。

お申し込みはこちら

(1)オンラインチケット:1,500円 〜"

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