■感想 アダム・ウィンガード監督『ゴジラvsコング』
アダム・ウィンガード監督『ゴジラvsコング』@シネックスマーゴで観てきました。
ネタバレ感想は後半書きますが、この映画、予告篇は事前に観ない方が良いですね、随分ネタバレしている様な気がします。
感想としては『シン・ゴジラ』はやはり凄い映画だったw、というのが偽らざるところ。本作も怪獣バトルのアングルとかアイデアとか、未知の舞台のビジュアルとか、映像は素晴らしいものがあります。特にゴジラとキングコングの細かな表情の描写、ビルの作り込み等ディテールは白眉という他ないでしょう。凄い。
とはいえ、観終わった後に何も残らない、この空洞感は何なのでしょうか。全体としてはとても駄目な映画でした。映画館を出る時のこの高揚感のなさは特筆すべきw。
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★★★★★以下ネタバレ有★★★★★
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やはり問題はシナリオと監督の姿勢でしょうね。
陰謀論的な話を構築しておきながら、陰謀論を揶揄する主要登場人物。物語の骨格から逆算されて配置されたキャラクターとエピソード。要するにエモーショナルを無視した映画のための強引な物語がこの空洞感の正体であると考えます。
可哀想なのが小栗旬。白目を剥いた捨て身の演技までしているのに、「芹沢」というゴジラシリーズにとって重要な名前を付けたのに、まるで使い捨ての扱い。悲痛でしたね〜。
このシリーズ、ゴジラの登場理由が地球の王者というモチベーションで描かれているけれど、その人間臭さも大きなマイナスですね。円谷英二がやってしまった「シェー」と同じくらい、安直で罪深い設定と思うのは僕だけでしょうか。
この監督と脚本家には、映画の神を舐めてもらっちゃあ困る! ときつく言いたいものです。あまり悔しい出来で脚本家出てこい!と調べてみたら、エリック・ピアソンという『マイティ・ソー バトルロイヤル』のシナリオライターで、何とアベンジャーズシリーズの『インフィニティウォー』『エンドゲーム』他のスクリプトドクターを担当した"大物"とのこと。まさに医者の不養生というやつでしょうか。自分の身体を診る事は出来なかった様です。
脚本次回作は『ブラック・ウィドゥ』ということで来週の公開を楽しみにしていたのですが、どうしようかな、と悩むレベルですね。
それにしても上でも書きましたが、素晴らしいSFXが泣いています。
あの微細な表情/ワクワクする映像が描けているのに、それをドブに捨てられたSFXスタッフ陣は無念でしょうね。
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