■ケイト・ショートランド監督『ブラック・ウィドウ』
Marvel Studios' Black Widow | Official Trailer
ケイト・ショートランド監督『ブラック・ウィドウ』@ 関シネックスマーゴで 観てきました。
スカーレット・ヨハンソンは相変わらずカッコ良く、『ミッドサマー』主役のローレンス・ピューもなかなかだし、冒頭のシーケンスから始まるストーリーの骨格もグッと来るし、コメディタッチ部分も最高に笑えるし、クライマックスのアクションもとびきりなのでなかなか満足な仕上がりなのだけれど、後ほどネタバレで述べる様なシナリオの不徹底が何とかされていれば傑作になったと思わせるだけに、僕にはちょっとそこが残念な映画でした。
新しいMCUのスタートとしては、あ、こういう形で再スタートするのか、と新鮮な気持ちにもなるのでした。ブラック・ウィドウ リスペクトとしては面白い切り口かもしれない。
それにしてもクレジットからはStereo D社等が担当した3D版があるはずなのに、日本の劇場で上映されていないのは、寂しすぎる(4D版は上映館があるが、立体映像で上映されているのでしょうか)。ついに3D映画低調時代が本格化した様で、寂しくてならないです。
★★★★★★以下、ネタバレ注意★★★★
脚本的な欠陥としか思えないところ。『ゴジラvsコング』も書いたエリック・ピアソンは『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』のスクリプトドクターでもあったということだけれど、以下は何とかならなかったのだろうか。冒頭や家族コメディシーン、そしてアクション他が良いだけに、残念でならなかった。
・ナターシャとエレーナが再開するところで何故いきなり戦うのか。
・お母さん、やってることが超極悪。なぜあの流れで良い話にもっていけるか。もう少しケアしても良いのでは。
・敵役ドレイコフが感情を露わにするところ、あれだけの巨悪のはずなのに小者感が半端ない。また空中浮遊基地も唐突感と最後のフェールセーフゼロのシステム設計が何だか残念。
・世界の虐げられてきた女性の解放というテーマは良いのだけれど、ストレートすぎるというか、例えば『ブラック・パンサー』等にあった政治的な改革の視点が弱い様な気がした。もしもう少しそこが配慮されていたら、本当に素晴らしい映画になったのではないかと残念至極。
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