■感想 キャリー・ジョージ・フクナガ監督『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』& サム・メンデス監督『007 スペクター』
NO TIME TO DIE | Final US Trailer
キャリー・ジョージ・フクナガ監督『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、サム・メンデス監督『007 スペクター』初見。
情けないことに『007 スペクター』を観たつもりになっていて、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を昨日観て、あれ、何か意味がわからないぞとなって、『007 スペクター』を今日、観てみたら全くの初見だったことに気づくという体たらく。なので順番が逆という、粗忽者の珍しいレビューということで御参考まで読んで頂けたらと思います(^^;)。
まず『ノー・タイム・トゥ・ダイ』、アーバンとオープニングテーマがとにかく素晴らしい。息つかせず画面に観客を釘付けにする冒頭部と007のチェイス。そして最近、僕も大のお気に入りのあの歌姫の憂鬱なテーマのオープニング。バックのグラフィカルな映像も含めて、ここまでは007シリーズでも屈指の傑作かと思いました。
そして失速するのは、、、、ネタバレなしで書くつもりなので、何も言えませんが、あるテクニカルなネタが僕には007の(特にサム・メンデスの)ここ最近のハードでリアルな描写に対して、浮いてしまって、しかもそのネタに全面的に依拠した後半の物語構築があまりにアレで、、、。正直後半はついていけませんでした。
加えて、あのクライマックスの後のラスト007という歴史的コンテンツだけに致し方ないのは理解するとして、それでも台無しだなぁ〜と感じたのは僕だけではないはず。もう劇場で声出して笑っちゃったのは僕だけでしょうか、、、。
そして見直すつもりで観た(ら初見だったw)『スペクター』は、さすがサム・メンデス、冒頭のメキシコの祝祭から始まり、メンデス007らしい、真面目でリアルなダニエル・クレイグ・ボンドがそこにいて、ストーリーも地に足がついて、しっかりと楽しめました。
2作のシナリオライターはニール・パーヴィスだけが共通ということだけれど、この方の成果か不明ですが、前作から明らかに続く形の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』冒頭の素晴らしさは前作の余韻だったのかもしれません。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は賛否両論あると思うけれど、僕が適当にTwitterでつまみ読みした感じでは、賛が多い感じでした。皆さんはいかがでしたか。
あと最後に日本での公開についての、残念な点。エンドクレジットを見ていると3D Stereo Conversion というクレジットで、3D映画版も作られているようである。しかるに日本公開はどこにも3Dという表記がない。最近、めっきり3D映画が公開されなくなっている日本の状況は寂しいかぎり。何とか地域ごとに数館でも良いので、3D上映をお願いしたいものです。
James Bond’s No Time To Die In 3D In India and China Only
こちらのページの情報では、中国とインド以外の国では、3D版は上映されないということのようだ。せっかくの3D版、一部好事家向けとなってしまったようだけれど、音楽はもうステレオ音響からモノラルには戻すことなど誰も考えていないように、本来人間には3Dステレオ映像は、当たり前の物なので、是非とも再度、3Dは広がって欲しいものです。
| 固定リンク
コメント