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2021年11月

2021.11.29

■動画 デイヴィッド・リンチ監督 マイケル・ジャクソン『デンジャラス』ティザー 予告動画


Dangerous Teaser by David Lynch (1991)

" これは、マイケル・ジャクソンが1991年に発表したアルバム『デンジャラス』の予告編で、監督はデヴィッド・リンチである。ジャクソンは自らリンチに電話で出演を依頼していた。

 オリジナルのソースファイルは720x480、30FPS。これを1845x1080、60FPSにアップスケールしています。

 本作では、金属製の木のストップモーションや、炎と布を重ね合わせた合成ショットなど、さまざまな特殊効果が使われています。デヴィッド・リンチはジャクソンを「本当にいい奴」と称し、ジャクソンが好きだったリンチの1980年の映画「エレファント・マン」についてしばらく話していたという。" (www.DeepL.com/Translator(無料版)で機械翻訳)

𝗗𝗮𝘃𝗶𝗱 𝗟𝘆𝗻𝗰𝗵 ❌ 𝗠𝗶𝗰𝗵𝗮𝗲𝗹 𝗝𝗮𝗰𝗸𝘀𝗼𝗻 𝘿𝙖𝙣𝙜𝙚𝙧𝙤𝙪𝙨 𝟯𝟬𝘁𝗵 𝗔𝗻𝗻𝗶𝘃𝗲𝗿𝘀𝗮𝗿𝘆 (Facebook Lynchlandより)

" 今から30年前の1991年11月26日、マイケル・ジャクソンの8枚目のスタジオアルバム「デンジャラス」が発売されました。デヴィッド・リンチが1993年に監督したこの30秒のティーザーは、『デンジャラス』に関連して制作された短編映画集の発売を予告するものでした。

 ロサンゼルスのリビングルームにいると電話が鳴って、マイケル・ジャクソンが電話に出ていて、アルバム『デンジャラス』の予告編のようなものを作ってほしいと言ってきたんだ。私は「できるかどうかわからないし、何のアイデアもない」と言ったのですが、電話を切ってホールに向かって歩き始めた途端、いろいろなアイデアが浮かんできました。そこで、米国の特殊効果アーティストのジョン・ダイクストラと彼のスタジオで一緒にアイデアを練りました。

 赤い部屋に小さなドアがあって、部屋の中にはモダンな形をした奇妙な木があり、銀色の液体が入った塚があって、それが炎を上げてマイケル・ジャクソンの顔を現すというミニチュアの世界を作ったんだ。これはストップアクションで、時間もかかりました。僕はそんなに厳密にやらなくてもいいと思っているんですが、この人たちはどこまでも綿密に計画を立てていました。木には赤や黒の漆が塗られていて、木を動かす人は白い手袋をして、この緻密に決められたルートに沿って木を動かしていくんです。それが1つの要素だ。

 もうひとつはマイケルの顔を撮影することで、そのためのカメラリグを用意していました。円状に配置されたライトが、影のない幻想的なフォーカス感を生み出します。マイケルは数分間、一か所に立っているだけでよかったのですが、彼は8時間も10時間もメイクをしていました。10時間もメイクしている人がいるんですか?よほど自分の容姿に厳しい人なのだろう。

 やっと準備ができて、彼が出てきて、私は初めて彼に会ったのですが、彼は「エレファントマン」の話ばかりしていました。彼は博物館から骨やマントなどを買おうとしていて、私に質問をしてきて、とてもいい人でした。その後、彼はそこに立っていて、私たちが撮影したところ、1分後には終わっていました。もちろん、彼はこの作品を最終決定し、気に入らなければ公開しませんでしたが、映画館で公開され、かっこよくて、私はこの作品を演じるのが好きでした」と語っています。

 デヴィッド・リンチは、著書『夢みる部屋』の中で、このティーザーの撮影を思い出している。また、プロデューサーであり、デヴィッド・リンチの長年の友人であるモンティ「ザ・カウボーイ」モンゴメリーは、「デンジャラス」のために制作されたミュージックビデオの制作を監督しており、『夢みる部屋』の中でクリスティン・マッケンナがこのことについてインタビューしている 。

 マイケルは、デビッドがやりたいことを理解していなかったと思うが、計画ではマイケルの顔をハイスピードカメラで極端にクローズアップして撮影することになっていた」。マイケルは、デビッドがやりたいことを理解していなかったと思う。そして、デビッドが『やってみよう』と言ったので、マイケルがカメラの前に立ち、レンズにすごく近づいて、カメラが止まった途端にマイケルがトレーラーに走ってきたんだ。

 45分くらい経って、デビッドが焦り始めたので、マイケルのトレーラーのドアをノックして、「どうしたんだ?マイケルのトレーラーのドアをノックして、"何が起こっているんだ?"と言ったんだ。彼のような照明の中でカメラの近くにいると、まるでトラックストップで最悪の鏡を見ているようで、マイケルはそれを見て怖くなったんだ。マイケルが見たものは、彼の心を揺さぶるものだった。さらに1時間が経過して、ようやく彼をセットに戻したが、デビッドはその時にはかなりうんざりしていた。"(www.DeepL.com/Translator(無料版)で機械翻訳)

 興味深い映像と逸話です。(クリスティン・マッケンナ『夢みる部屋』をまだちゃんと読んでいないので見逃してました、リンチファンとしては駄目ですね(^^;))

 映像は、『ツイン・ピークス シーズン3』を観たリンチファンなら、思わずにやりとするイメージに溢れています。
 舞台は奇妙な木が生えた赤い部屋、そして赤い炎から現れるマイケルの球体。まるでTP3のボブの玉のようです。
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 そして引用文で書かれている内容からは、このSFXは、『スター・ウォーズ』でアカデミー視覚効果賞を受賞したジョン・ダイクストラのスタジオによるものだということも興味深いです。ご本人がどの程度、たずさわれたかは不明ですが、少なくともリンチと撮影アイデアについては語り合っていたようです。

 これだけのスタッフを、アルバムのテザー映像で用意するとは、さすがマイケル・ジャクスンという感じでしょうか。願わくばリンチにはPVを撮ってほしかったですが、『ワイルド・アット・ハート』で1990年にカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した直後で、次の映画企画等で多忙だったのか、この予告篇だけだったようです。残念。

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2021.11.22

■感想 ジョナサン・モストウ, ジャック・ベンダー他監督『ザ・ラストシップ』シーズン1,2,3(#1-28)


The Last Ship: Series Premiere | TNT
 ジョナサン・モストウ, ジャック・ベンダー他監督『ザ・ラストシップ』シーズン1,2,3(#1-28)までAmazonプライムで観ました。2014-16年の作品なので今更なんですが、これはなかなか見応えのある作品ですね。

 マイケル・ベイ製作という事で、この方の名前が前面に出ていますが、僕が観たところでは、大味のマイケル・ベイ作品とは明らかにタッチが違い、相当に脚本が練られて書かれた作品のように思います。

 とにかく一話一話の密度が高い。詳しい情報がわからないですが、脚本家陣が敵と味方側に分かれて、丁々発止のストーリー展開を両者で知恵比べしながら、キリキリとアイデアを練って創り上げている感じがします。

 前知識なしに観られることをお薦めしますので、あまりストーリーには触れない方が良いのですが、冒頭、世界がウィルスによりその人口を大きく減らしていく中、アメリカ海軍の駆逐艦が秘密の任を担って北極、、、というもちろんコロナ禍をはじめ、『復活の日』や『渚にて』を思い起こさせつつ、駆逐艦の精神戦バトルも見事に観せていくという展開に血湧き肉躍る展開。

 海上戦闘ものとしての見せ場のそこここに用意されていて、なかなかエキサイティングです。アクションもシチュエーションが理詰めで見せます。

 そして特に感心するのは、人物描写。一人一人の主要登場人物を丁寧に描き、アメリカシリーズドラマにありがちな、リレー形式脚本でキャラ設定が毎回微妙に変わるというような齟齬はほとんどない。そして特筆したいのが戦死者の扱い。その一人一人をリスペクトしながらストーリー随所でその想い出を語っていくところもグッとくる。

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 SF的設定は少し無理もあるけれど、特にシーズン2終盤にウィルス状況で人々のコミュニケーションが(まるでコロナ禍のように)分断された市民が、ある仕掛けで人と人との会話とスキンシップで生き生きと活動始めるシーンは、まるで現在を予見していたように、見事な未来図を描いている。

 監督は第一話のみ監督したジョナサン・モストウは、『ターミネーター3』、前半8話と最多担当しているジャック・ベンダーはベテランだが『チャイルド・プレイ3』とか位しか本篇映画はやられていないテレビドラマ中心の監督。

 その他、僕が観た最新の#28は、なんと『ロボコップ』の俳優ピーター・ウェラーがこの話数を筆頭に7本監督しているという。またディヴィッド・リンチの娘で映画監督のジェニファー・リンチも#31を監督しているらしい。(ザ・ラストシップのエピソード一覧参照)

 この後、全56話ということで、まだしばらく楽しめそうです。

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2021.11.08

■感想 クロエ・ジャオ監督『エターナルズ』


Marvel Studios’ Eternals | Final Trailer
 クロエ・ジャオ監督『エターナルズ』@ 各務原イオンシネマで昨晩、観てきました。クロエ監督、丁寧なキャラクター描写と縦横に時空を超えたグローバルな地球描写で従来のマーベル映画の枠を広げ、多様なMCUの幅をさらに拡張してくれました。

 以下、ネタバレなしですが、先入観なしで鑑賞したい方は読み飛ばしてください。


 アクションもSF的な想像の翼も大きく広げ、これだけのボリュウムの話を2時間36分の枠で描き切った手腕に拍手喝采。映像的には『ノマド・ランド』で見せた見事な風景描写に加えて、あのでっかい奴を(ちょっとベクシンスキー風味も加えて)広大に見せてくれて大満足。

 原作のコミックは読んでいないので、どの程度のオリジナリティが追加されているか分からないけれど、10人のエターナルズの見せ方、『アベンジャーズ』で個々の映画が既にある中でキャラクターをうまく配置して見せたジョス・ウェドンを超えて、この一本でそれぞれの個性と能力を見事に描いている。

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 マ・ドン・ソクもとても良いけれど、特に主役のジェンマ・チャンが素晴らしい。この人を主演に持ってきたのもMCUのダイバージェンスの拡張としては興味深い。今回、メンバーの人種配置、そして舞台設定の見せ方等、マーベル、ケヴィン・ファイギの地球全体を描く視点、ますます磨きがかかっている。

 残念なのは、エンドクレジットで今回も3Dステレオスコピックのスタッフが表記されているのだけれど、日本では3Dが上映されていないこと。この広大なイメージを立体視空間で体感できなかったのは残念でなりません。



★★★★★以下、ネタバレあり ご注意ください★★★★★









 映像的には、各エターナルズの持つ超能力の描き分けの描写も良かったけれど、特にセレスティアルズ のビジョンが素晴らしかった。
 原作コミックの画像をネットで検索してみると、デザインもだけれど、特にその巨大感が大きく異なるようだ。その存在の持つ意味からは、コミックのどこか巨大ロボット的な描き方よりも、映画でのイマジネーションの広がる描写が特に優れていると思う。

 ここがクロエ監督の成果なのか、MCU映画スタッフの成果なのかは分からないけれど、今後のアベンジャーズとの協演も当然想定されるわけで、今回の巨大なセレスティアルズと、MCUヒーローとの戦いがとても楽しみ。

 そしてここでも3Dで上映されていなかったのが、残念でならない。セレスティアルズについては、その巨大感を是非とも立体視で見たかったものである。


関連リンク
ETERNALS (wiki)

" キンゴは16世紀には日本に住んでいたというエターナルズで、鎧兜をかぶり刀を使って戦います。最近のコミックでは、彼は自身のスキルを使って映画スターとしても活躍しており、サムライ役を好んで演じているという設定も"

 原作読んでいないので、ネットで色々と調べてしまったのだけれど、もともとコミックでは、キンゴは日本人の設定であったらしい。
 今回のボリウッド設定も楽しくて良かったのだけれど、やはり日本人としては、サムライ姿の金吾も見てみたかったと思ってしまう。

 世界の各民族を『サイボーグ009』のような設定だけに、侍のビジュアルは、下手するとギャグになるが、まともにじっくり描いていたら、結構絵にもなっていたと思うのだけれど、、、、。

セレスティアルズ 今後のネタバレもありそうで、ちゃんと読んでいないですが、ご興味あれば自己責任でw。
 ここの記述だと本作でのセレスティアルズは、320km設定とのこと。これは巨大ロボットのレベルを何桁も超えていて、リンク先ページのSF映画に登場する超巨大宇宙船に比べても、最大のSter trekのWhale Probeの90kmに比べて、3.6倍の巨大さに当たる。

 こちらの動画にはデススターが160km、巨大綾波が200km、超銀河グレンラガンが5000kmともっと巨大なものもある。実写ではデススター2が900kmということなので、セレスティアルズの巨大さが分かろうというもの。そんなものとの地球上での戦いが今後も見られるとしたら、究極映像研としては楽しみでならない。

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2021.11.01

■感想 田中千智展「記憶の川」@美濃市 Gallery Collage

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田中千智 展「記憶の川」GALLERY COLLAGE (公式HP)
 田中千智展「記憶の川」Gallery Collage @美濃市、観てきました。
 白い顔の子供と鮮やかな装飾と黒い背景が特徴的な鮮やかな作品。ちょっとだけ星野之宣に似たキャラクター(特に上記右画像)が良いですね。下の写真にあるような、美濃和紙とのコラボもなかなか素晴らしい。

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 このギャラリー、初めて行きましたが、蔵を改造したようで、なかなか静謐な雰囲気でとても良かったです。
 またこのギャラリーは、絵を観ながらコーヒーも飲めて気持ちの良い空間でした。

 以下、今回は撮影可ということだったので、絵画等のご紹介です。
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 またこのギャラリーの奥には旅館があって、その一室が30分500円で貸し出されていて、ゆっくりと作品を鑑賞したい方にはお薦めです。
  この部屋、宿泊もできるとのことです。詳細はこちら
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