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2021.12.06

■感想 ピーター・ウェラー, ポール・ホラハン他監督『ザ・ラストシップ』シーズン3,4,5 (#29-56)


The Last Ship S02E05 - Missile Scene

 なかなかバトルシーンの良いダイジェスト動画がアップされていないため、ご興味がある方は、以下をご覧ください。
Faceboog Move Zone

20211205-203910checker
 『ザ・ラストシップ』season5の最終話まで、amazonプライムで3週間ほどで全56話観終わりました。いや〜充実のドラマ体験でした。
 若干、シーズン3のアジア篇で中弛み感があったけれど、毎回緊迫したドラマを観せてくれて大満足。多少キーとなるウィルスが物語の万能ツールとして使われている感は減点だけれど、人物描写、アクション等々、丁寧に練られていて、ポストアポカリプスの世界をある意味、悪夢巡りするような展開でここまで掘り下げて描いたのはなかなか画期的なのではないでしょうか。

 (ファンの方には大変申し訳ないけれど) 地球滅亡の危機をたった一隻で救う「ラストシップ」というと、某国産アニメを思い出すわけだけれど、その第一作から昭和時代の作品で、ドラマ部分、戦闘部分(SF的設定は別にして)に対して、リアリティとしては不満があったご都合主義的な部分をかなりこちらはクリアしているように思うw。

 特に毎回スリリングだったのは、海洋戦、地上戦、政治ドラマ等がそれこそ敵味方が知力を尽くしている感があって、見応えがあった。シーズン5で『羅生門』みたいに混沌としている、というセリフがヒロイン役の女戦士サーシャから出てくるけれど、黒澤明のシナリオ技巧としてよく説明されている敵味方に二人以上の脚本家が分かれて、それぞれの立場で難題を提示し、相手側が知力を絞って突破アイデアを出していく、というのを実践していたのではないだろうかと思えるハラハラさ。

 あと素晴らしかったのがシーズン4の後半からラスト。
 ネタバレに注意して書くと、宮崎駿の某傑作作品を少し下書きにしてシナリオが描かれているような描写がいくつかあった。まさか庵野秀明が映像化する前に、あのシーン(に近いもの)を映像として観られるとは。(もちろん舞台が現代なので宮崎作品とは大きく違います。テーマ的なものが一部トレースされている感じです)

 ここは監督としても本作で7作を担当している、ロボコップのピーター・ウェラーが見事なマッド・サイエンティストを演じていて、そのシーンのリアリティを担保する一助になっていた。

 またシーズン4ではホメロス『オデッセイア』を引用する下りもあり、その辺りの関連性も感じてしまった。
 ネットで英語のキーワード検索して、宮崎駿作と本作の関連性を検索してみたが、何もヒットしない。もしかしたら僕の思い込み過ぎかもしれないけれど、そんなことも感じさせるシーズン4だったのでここに記しておきます。どなたか観られた方、ご意見頂けると嬉しいです(^^)。

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