芝居

2019.09.25

■情報 KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』

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KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』(サードステージ 公式HP)

"<東京公演>2019年11月2日(土)~11月24日(日)
 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
<大阪公演>2019年11月29日(金)~12月1日(日)
 サンケイホールブリーゼ

「地球防衛軍」というエリート組織の中にある、「苦情処理係」が舞台です。「地球防衛軍」は人類を怪獣や異星人から守るために日夜、必死で戦います。戦闘の中で、当然ですが、いろんなものが破壊されます。ビルや民家、建物です。そこに住んでいる住民は、苦情を言います。

「私の家は、地球防衛軍のミサイルで壊された。弁償しろ」
「街中で戦うような計画が間違っているんだ。許せない」
「怪獣をすぐに倒せなかったお前たちが悪い」

激しいクレームにさらされながら、苦情処理係は、日夜、謝ります。そして、「住民ファースト」の精神で、なんらかの補償や弁償をしようと努力します。けれど、「地球防衛軍」は住民のために戦っているのです。それは正義の戦いです。けれど、その結果、激しいクレームが来るのです。

文句を言われる戦いは正義の戦いではないのか。では誰のために戦っているのか。住民のために戦う必要なんかないのか。この星を守るためじゃないのか。この星の住民は守るに値しない人達なのか。苦情処理係の人々は、日夜、苦悩するのです。そして、苦情処理のために戦うのです。これは、絶望と希望の物語です。

 鴻上尚史"

 鴻上尚史の新作『地球防衛軍 苦情処理係』は、先日の「ウルトラQ」トークライブの発言では、元は日本テレビの企画として立ち上がったものだったそうです(企画が実現しなかった。そのコンセプトを新作の芝居とした)。
 ここに書かれている、この戦いの結果として破壊された街についての苦情を、ヒーローのチームが受けるというコンセプトは、我々SF/特撮/アニメファンには『ザンボット3』他で既に40年ほど前から知ってるものなので、どう見せるか、不安だったりします。もちろん鴻上尚史もそういったものを知っているはずなので、それを踏まえた上での現代的な表現になるものと考えられます。

 往年の第三舞台ファンとしては、あの鴻上尚史がこのタイトルの芝居、そしてこのチラシのビジュアル?
 遠くへ来ちゃったね、な感覚も否定できませんが、観てみたくてたまりません。

 特に巨大ヒーローの破壊を演劇の舞台でどう描くか、そしてヒーローのハイパーマンはどう表現されるのか。ワクワク(^^)。
 そして第三舞台ファンとしては、あの鴻上尚史のスナフキンであり、一種の鴻上哲学の体現たる俳優 大高洋夫がどう地球防衛軍の隊長を演じるのか、興味は尽きません。


地球防衛軍 苦情処理係 予告篇(Youtube)

◆関連リンク
中山優馬が苦情を処理して地球の平和を守る? 鴻上尚史作・演出の舞台『地球防衛軍 苦情処理係』インタビュー

"鴻上:ストレートプレイですが、怪獣とかハイパーマンとか出て来ます。ハイパーマンは怪獣を倒そうとするヒーローですが、怪獣と戦うと街が破壊されたりものすごい被害に遭ってしまうんです。その苦情が来て、ハイパーマンとしては困っているんです。

ーーSFファンタジーの設定だけど、描いているテーマ自体はすごく身近なものに感じられますね。

鴻上:やっぱり僕の作品なので、どこか社会性と繋がっていて、全部がただのファンタジーで終わる話ではないです。怪獣と戦う地球防衛軍のミサイルが当たって家がやられてしまったけど、それは地震と一緒で免責事項なので、地震特約みたいに怪獣特約っていうのに入っていないと保険がきかなくて、それは納得がいかない、というクレームを、優馬の役は苦情処理係の一員なので毎日毎日受けるんですね。"

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2015.06.08

■感想 シディ・ラルビ・シェルカウィ演出『プルートゥ PLUTO』 (浦沢直樹×手塚治虫原作)

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森山未來 主演『プルートゥ PLUTO』|ローチケ.com

" アトムと高性能刑事ロボットのゲジヒトが事件の核心に迫っていく物語をプロジェクションマッピングも取り入れて舞台上に再現する。
 ロボットが主人公という漫画の世界観を、現代舞台芸術をリードするベルギーの鬼才シディ・ラルビ・シェルカウイがどのような演出で舞台によみがえらせるのか注目が集まる。"

 以前の記事で紹介した観たかった舞台、シディ・ラルビ・シェルカウィ演出『プルートゥ PLUTO』 (浦沢直樹×手塚治虫原作)が、NHK Eテレで放映されたので録画見。

 正直、あまり期待していなかったのだけれど、かなり興味深い舞台だった。
 引用画は、以下のサイトからであるが、この画像にあるように単なる芝居でなくマルチメディア的に構成された複合的な演劇が眼前に展開された。

 プロジェクタによる漫画シーンの投影、コマ割りのように構成された立体的なステージ、そして浦沢デザインをベースにした数々のロボットの登場と、長篇漫画全体をカバーするストーリー展開。

 通常ならあの原作を2時間半の芝居にすると、ダイジェストで何が何だかわからないものになる恐れがあるけれど、こうした複合的な舞台構成により、少なくとも原作漫画を読んだ観客には、立体的にあの『プルートゥ PLUTO』の世界の全貌が圧縮解凍されて眼の前に提示されることとなる。

 特に秀逸だったのが、画像下段中央、大きな布のスクリーンが巨大な球体を構成し、その表面に浦沢の絵が展開し、森山未來他の俳優が包まれて演技するシーン。音楽の効果と相まって漫画の広大なイメージが見事に舞台に立ち上がっていた。ストーリー的にもう少し一般観客にも訴求できるような、ポイントを絞った展開であったなら、もっと芝居の感動は高まったと思うけれど、このシーンが観れただけでも、なかなか素晴らしい、進化した演劇を体感できた。

 こうした新しい舞台に今後も期待したい。漫画と演劇の融合、まだまだ発展する可能性を秘めていますね。

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2014.10.20

■情報 シディ・ラルビ・シェルカウィ演出『プルートゥ PLUTO』 浦沢直樹×手塚治虫原作

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森山未來主演『プルートゥ PLUTO』公式サイト|Bunkamura

"公演期間 2015/1/9(金) ~ 2015/2/11(水・祝)
シアターコクーン (東京都)
森ノ宮ピロティホール (大阪府)
[演出・振付]シディ・ラルビ・シェルカウイ
[出演]森山未來 / 永作博美 / 柄本明 / 吉見一豊 / 松重豊 / 寺脇康文 / 他

『PLUTO』世界初の舞台化が決定!!
他メディアでの展開自体が初めてという、まさに奇跡のコラボレーションが実現した。舞台・音楽・漫画…あらゆるカルチャーを愛するオーディエンスが熱望する舞台が始動する。

オリヴィエ賞を2度受賞、天才コレオグラファーであるシディ・ラルビ・シェルカウィ氏が演出を手掛けることも話題のひとつ。また、文化交流使の任務を終え帰国する森山未來をはじめ、個性豊かなキャストが集合!!"

 CG映画化のニュースが2010年に流れたが、まさか映像になる前に、舞台化とは誰も予測してなかったのでないか。これは驚き。
 冒頭に引用した左の画像が素晴らしい。
 芝居の俳優達と浦沢直樹描くプルートゥの共演。この画像のイメージが舞台にそのまま展開されるとしたら、なかなか期待できる。

 何故、映像の前に舞台化されることになったか、その秘密は(おおげさw)、下の画像にある。

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シディ・ラルビ・シェルカウィ演出「テ ヅカ TeZukA」

"手塚の作品をそのままダンス化するのではなく、作品から沸き起こる様々なイメージをコラージュのようにつなぎあわせ、膨大な情報量を伴っていた手塚の表現を総体として把握する。そして、善悪を描くのではなくこの世界が果てしないコミュニケーションの行き違いによって成り立つことを描き続けた手塚の世界に現代 社会を読み取る、シェルカウイ独自の解釈で再構築する。"

 今回の舞台を演出するのはフランスの振付師であるシディ・ラルビ・シェルカウィとのこと。彼は2012年に既にアトムを同じ森山で演出していた。
 ここを起点にして、今回の企画が決定したようだ。

 浦沢作品、まさかの舞台化。機会があれば、大阪で観てみたいものだ。

◆関連リンク
PLUTO 当Blog関連記事 Google 検索

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2012.01.17

■情報 「鴻上尚史と第三舞台~復活から解散までの100日間」, 封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」放映

Wowow

鴻上尚史と第三舞台~復活から解散までの100日間|ドキュメンタリー/教養|WOWOWノンフィクションW

"1/27(金) よる10:00〜、1/29(日) 午前11:00〜
 10年ぶりの復活公演にして最終公演「深呼吸する惑星」に取り組む劇団・第三舞台に密着する。作、演出を担当する主宰の鴻上尚史は、「“故郷”に別れを告げ、クリエイターとして次の地平に向かうため」と解散を決意した。10年ぶりの復活を前に、かつての劇団員たちに「あなたは今でも第三舞台のメンバーですか?」という手紙を送った鴻上。大高洋夫、筧利夫らの、思い思いの答えをうけ、最終公演の準備をはじめる。
 80年代には近未来のハルマゲドンをテーマにするなど、“同時代より先”を描くことで“同時代”を気づかせるのが第三舞台の作品。2010年代の今、時代をどう描いていくのか、そして、若い世代に何を伝えようとするのか。脚本の執筆の様子、稽古や本番中の舞台裏にまで密着し、彼らの思いをあぶり出していく。"

第三舞台・封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」|ステージ|WOWOWオンライン

"2012.2/4(土) よる9:00〜
 遠い未来、地球人の支配下にある惑星アルティア65では、アルティア人のマギエル首相(小須田康人)らが、地球防衛軍長官の歓迎式典の準備を進めてい た。長官より一足先にやって来たサクラギ研究員(長野里美)は、世話役のニシダ(山下裕子)とともにアルティア65で地球人の自殺が多い原因の調査を開 始。迎えたナカイド大佐(大高洋夫)は、この惑星で地球人が悩まされる不思議な幻覚について説明する。
 一方、過去についての記憶がないカンザキ(筧利夫)は、自分にしか見えない謎の影(高橋一生)を話し相手にアルティア65の墓守をしていた。そんな中、 カンザキのもとに以前自分を助けた奔放な女性レイ(筒井真理子)が数年ぶりに現われる。
 地球人を襲うリアルすぎる幻覚、キリアスと名乗る革命家…。惑星に不穏な空気が漂う中、地球人たちとアルティア人たち、それぞれが見失っていた過去の真実が浮かび上がってくる…"

 先日レポートした第三舞台『深呼吸する惑星』がWOWOWでTV放映される。
 そして注目は「鴻上尚史と第三舞台~復活から解散までの100日間」というドキュメント。芝居の稽古風景から劇場での最後のシーンまでを伝えてくれるのではと期待。

 WOWOWはかつて開局当時第三舞台の『天使は瞳を閉じて』イギリス版等を放映した実績がある。僕はその目的で、WOWOWに入った(^^;)。

 今回、またこのプログラムと黒沢清の連続ドラマ『贖罪』のために、まずは15日間無料体験に入りましたw。さて、この後、どうしようか。

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2012.01.16

■感想 第三舞台 大千秋楽『深呼吸する惑星』 板垣恭一監督 ライブビューイング

Photo

「深呼吸する惑星」-第三舞台 封印解除&解散公演(公式HP)
第三舞台ライブビューイング 公式HP
大千秋楽ライブビューイング』劇場予告編

 2012.1/15(日)18:00〜第三舞台最後の芝居の千秋楽@福岡。
 全国のワーナー・マイカル・シネマズ24劇場とTOHOシネマズ6劇場、計30劇場で生中継されたライブビューイングと呼ばれるイベントに参加したので、レポート。   

■ライブビューイングの様子

Photo_2

 僕は名古屋大高のワーナー・マイカル・シネマズで観た。
 (当初、各務原で観るつもりだったのだけれど、出勤の可能性があったので会社近郊に切り替えた(結局、休出は免れたけれど…))

 大高の映画館はほぼ満席、スタートは画面に福岡の会場の様子が映し出され、いつものRoxy Music ♪More Than Thisが流れ、客席に立った鴻上尚史がtwitterでどこから観てるかを書き込んでほしい旨のメッセージを映す。
 芝居はハイビジョンの鮮明な画像と、見事なカメラワークで、福岡の様子が克明に映画館の画面に転位される。生とは思えないカメラの切替で、ライブというよりも完成度の高い演劇映画の趣き。

板垣恭一のブログ sadsonghappystory@excite.co.jp : 第三舞台

"いま劇団は解散公演を しているところです この作品は テレビでオンエアされたり DVDになったりしますが ぼくはそのディレクターです"

 この素晴らしいライブビューイング映像を監督されたのは、第三舞台出身の演出家・板垣恭一さんとのこと。さすがに第三舞台とともに歩まれ、知り尽くされている板垣さんならではの的確な映像演出。

 本来演劇は、舞台の上で行なわれている演技を、観客が自身で注目点を変えて、心の中にひとつのイメージを創り出すのがポイントであると思うのだけれど、第三舞台ファンの壷を捉えたこの演出は素晴らしかった。(個人的には、会場のスモークの匂いが映画館で再現されていたら最高なのだけれど、、、。スモークの匂い、かなり好きなのでw。あ、今回スモークシーンなかったかもw)

 ラストの閉幕後の出演者あいさつ。
 当初大高の映画館では、観客も照れて(?)寂しかった拍手も、鴻上尚史がハーフアース姿(緑の髪の毛)で画面に出てきたら割れんばかりにw!

 会場は、古くからの第三舞台ファンはむしろ少なく、若いお客さんの方が多かった。これだけ新しい(と思われる)集客ができるのだから、来年ぐらいにこっそり復活してほしい(^^)!と思ったのは、僕だけではないはず。

■『深呼吸する惑星』感想
 そして『深呼吸する惑星』、10年振りだけれど、紛れもない第三舞台の芝居であり、あの笑いとラディカルな問いに満ちた濃密な時間を思い出した。

 第三舞台『深呼吸する惑星』ストーリーはSF(^^;)鴻上尚史の芝居は物語が主でないので割と骨格はどっかから持ってくるのが多い印象。で、今回は『アバター』+『ソラリス』(映画)+沖縄基地問題ですねw(+デューン?)。

 にしてもパンフにあるように筋は昔に比べ分かりやすい。もっと複雑に錯綜して早口で高密度に情報を重畳しても良かったのにw。

Photo_3

 物語は直線的に進み、昔の第三舞台に比べたらシンプル。理由として鴻上尚史がパンフの角田光代との対談で、95年の阪神淡路大震災とオウム事件で「世界が難解であることがむき出しになってしまったので、せめてわかるものを手に入れたい」という物語への欲求への対応が続いていると述べている。
 難解なSFより、きっちりと解決するミステリーが、その後、売れたことを指摘している。今回の東北の震災で政治含め現実の幻想性というか混沌を突きつけられた日本人はどんな物語を求めるか考えてしまう。

 ただ95年以降ミステリーが売れたことについては笠井潔がミステリー論として書いている不条理な大量死とミステリーの関係性の視点も重要でしょうね。不条 理な突然の死に対して、何か意味を付与せざるを得なくなる人間の心性ということもあの当時のミステリーブームの一因になっている感覚も…。

 「第三舞台は変わらない。そして変わり続ける」のキャッチコピーに対して『深呼吸する惑星』で感銘を受けたのは「変わらない」面が強かったかもしれない。 良くも悪くも予定調和的に観えたのが安心感。ただやはり凄いスピードで「変わり続ける」部分に期待していたのも確かで、そこが解散の理由なのかも。

 そして各役者定番の演技がファンには嬉しい。長野里美のカモメ姿が、最高にキュートで良かった!
 また幻覚の屋上シーン。着ぐるみのコミックと学生時代への追憶、絶妙のアンバランス/バランス。これ、第三舞台の真骨頂ですね。

 とにもかくにも、映画館で観たとはいえ、会場の拍手での一体感も手伝って、感慨深い幕引きでした。特に湿っぽくなくカラっとしていたのが第三舞台らしいラストだった。関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。ありがとうございます。
 今後の散開による新たな展開も楽しみです!!

 本当なら♪More Than This を聴きながら劇場を後にしたかったのだけれど、残念ながら(何故だw!)iPhoneには入っていなかった。そこで、今回も使用された楽曲、ブルーハーツの♪ラブレターをヘビーローテして帰宅。
 昨日のイベントだったのだけれど、今日一日、余韻にずっと浸っていた。

第三舞台 大千秋楽『深呼吸する惑星』ライブビューイング - Togetter
 大千秋楽当日のtwitterでの、第三舞台関係者とファンのツイートをまとめました。ファンの方には、第三舞台の締めくくりの熱い様子に触れられると思います。

◆関連リンク
第三舞台のこと again: 大高 洋夫さんBlog

"1981年の5月15日に旗揚げ初日を迎えた僕らは昨日2012年1月15日で解散しました。 封印期間はあるものの約11000日ほどです。"

第三舞台「深呼吸する惑星」backstage vol.2 - Togetter
 別の方がまとめられた、第三舞台関係者の大阪公演から福岡大千秋楽までのツイートまとめ。
第三舞台「深呼吸する惑星」backstage - Togetter
 同じく稽古開始から紀伊國屋ホール千秋楽まで。
・Blog ごめんね日常さんの第三舞台 大千秋楽レポート。カーテンコールの一部始終を見事に雰囲気含め書かれています。ファン必読。
劇団第三舞台サウンドトラック vol.1 : Thaks The Third Stage - YouTube
 第三舞台の芝居が、その同時代の音楽と切っても切れない関係にあることを見事に表現したビデオ。

ドキュメント 「第三舞台'81~'91」
第三舞台ドキュメント「BE HERE NOW アウトテイクス」
 (WOWOW開局当時で懐かしい)、'90年の映像、今から21年前、役者さん皆んな若々しいw。特にダンスの体のキレが違う。このスピードも第三舞台なんですねぇ〜しみじみ。

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2011.12.23

■情報 パパ・タラフマラ+ヤノベケンジ DVD『ガリバー&スウィフト〜作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法』

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パパ・タラフマラ 過去作品DVD14本(公式HP)

"ガリバー&スウィフト〜作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法(2008年) No.49/55

ガリバー旅行記を書いた、奇人作家ジョナサン・スウィフトの生涯に焦点を当てた本作。パパ・タラフマラがヤノベケンジのオブジェと共に、観る者を小人の国からパラレルワールドへ、魅惑の旅へと連れて行く。"

 ヤノベ氏と京都造形芸術大 ULTRA FACTORY:ウルトラファクトリーによる多数のオブジェが登場する演劇のDVDがついに登場。
 ヤノベ氏の創り出した解体娼婦の奇想!
 京都造形大ワーク・イン・プログレスでリハだけ拝見した幻の舞台!楽しみです(^^)

 アーティストの芝居への参加は、いろいろと例があるけれど、かつて観たブリキの自発団+日比野克彦による『柔らかい肌』を超えるインパクトを実は期待しているのです。パパ・タラの芝居観るのは初めてだし、、、、。

★と言いつつ、現在、この芝居単体のDVD発売が何処でどういう形態でなされているのか、不明。twitterのパパタラさんに問い合わせ中ですが、まだ返事は頂けていません。

◆関連リンク
Pappa TARAHUMARA News Blog: 【本日解禁】パパタラDVD全14タイトル発表!(公式Blog)

"パパタラ ファイナルフェスティバル関連企画として、パパ・タラフマラの過去作品のなかから選りすぐりの14作品を一挙DVD化いたします。
12月3日(土)のパパタラファイナルフェスティバルオープニングパーティー にて、DVDの直売もいたします。
●作品タイトル; 
◇パレード(1989年) 
◇ストーン・エイジ(1991年) 
◇ブッシュ・オブ・ゴースツ(1992年) 
◇青(1994年) 
◇城~マクベス(1995年) 
◇船を見る~SHIP IN A VIEW(1997年)
 ◇島~ISLAND(1997年) 
◇青い頭の雄牛(2003年)
 ◇ストリート・オブ・クロコダイル計画2(2004年)
 ◇HEART Of GOLD~百年の孤独(2005年) 
◇トウキョウ⇔ブエノスアイレス書簡(2007年) 
◇ガリバー&スウィフト~作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法(2008年) 
◇パンク・ドンキホーテ(2009年) 
◇パパ・タラフマラの白雪姫(2010年) 

 ●単価/14本セット価格;
¥3,300/¥39,800
 ●発売日;
2011年12月3日"

 単体販売自体はここから察するに予定されている/会場では売られたようなのですが、、、。
パパタラフマラ ガリバー&スイフト - YouTube
 ヤノベケンジ公式Youtube掲載の予告篇。
【公演情報】ガリバー&スウィフト 予告編その1 京都造形芸術大学 - YouTube

◆当Blog関連記事
パパ・タラフマラ+ヤノベケンジ 「ガリバー&スウィフト 作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法」
 ワークインプログレスで観た稽古風景。
『ULTRA FACTORY ウルトラファクトリー展』探訪記・3 パパ・タラフマラ「ガリバー&スウィフト」 ヤノベケンジの舞台装置と劇団リハーサル

 

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2011.12.21

■情報 第三舞台 封印解除&解散公演『深呼吸する惑星』ライブビューイング 全国映画館で公開

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『第三舞台「深呼吸する惑星」大千秋楽ライブビューイング』公式サイト

『第三舞台「深呼吸する惑星」大千秋楽ライブビューイング』劇場予告編 - YouTube

「深呼吸する惑星」-第三舞台 封印解除&解散公演

"ごあいさつ

そんなわけで、福岡の大千秋楽をライブビューイングすることになりました。東京や大阪、福岡公演に行けなかった人、行きたくてもどうしてもかなわなかった人、もう一度見たいけど福岡は遠いとあきらめた人のために、いろんな人がわさわさと動いてくれて、この奇跡が実現することになりました。
どうか、リアルタイムで、「第三舞台」のラストをご覧ください。
スクリーン越しに会える日を楽しみにしています。
これが最後の「第三舞台」です。

鴻上尚史"

2012年1月15日の福岡公演大千秋楽を、全国のワーナー・マイカル・シネマズ 24劇場とTOHOシネマズ 6劇場、計30劇場で生中継いたします。(劇場リスト)

日時 2012年1月15日(日)18:00上映開始
   ※一部劇場では13:00上映回があります。
チケット 3,300円
   ※本公演を実施していない一部地域は2,800円となります。
         未就学児童はご入場いただけません。
一般発売開始
    12月23日(金・祝) 10:00~"

 素晴らしい企画が!!
 チケットも取れず、遠方で当日券に期待するわけにもいかない僕の様なファンに、本当に朗報です。
 これはチケット絶対に取らないと…。
 
 第三舞台旗揚げ時の名優、岩谷真哉氏の出身地 各務原で僕は観る予定!
 観たことのない岩谷氏の芝居を、各務原の幻影の第三舞台に想像してみたいと思います。

◆関連リンク
当Blog関連記事
メモ 第三舞台 封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」
第三舞台 関連記事 Google 検索

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2011.08.03

■メモ 第三舞台 封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」

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劇団「第三舞台」が解散へ 小劇場ブームの中心的存在

"1980年代の「小劇場演劇ブーム」の中心的存在だった劇団「第三舞台」が解散する。主宰する鴻上尚史さんが21日、東京都内で記者会見し、11月から来年1月にかけて行われる公演「深呼吸する惑星」が最後と発表した(略)
 鴻上さんは解散理由について「“故郷”(劇団)に正式に別れを告げた方が、クリエーターとして次の地平に行けるのではないか」と語った。
 同劇団は鴻上さんが早大在学中の81年に結成。テンポのよいせりふ回し、ダンスやギャグを交えて時代を切り取る作風が若者の人気を集めた。代表作に「朝日のような夕日をつれて」など。"

第三舞台 封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」 ごあいさつ

"(略)
そして、もうひとつ大切なお知らせ。
どんな芝居をやろうかメンバーと相談している中で、この公演をひとつの区切りにしようという思いが固まりました。
今回の芝居は、封印解除であり、同時に解散公演になります。 (略)

『第三舞台は変わらない。そして、変わり続ける。』

最後の第三舞台になります。よろしければ劇場でお会いしましょう。
鴻上尚史"

 このニュースが流れた時のショックは大きかった。
 まさかの復活公演が第三舞台解散公演になるとは、とても残念である。

 そして復活は当然『朝日のような夕日をつれて '12』だと思っていた。これは多くの第三舞台ファンに共通した暗黙の認識だったのではないだろうか。
 『朝日のような夕日をつれて '12』でなく、『深呼吸する惑星』という新作であることは、たぶん解散と関係してるんだろうと思う。

『深呼吸する惑星』CAST

"筧 利夫 長野里美 小須田康人 山下裕子 筒井真理子 / 高橋一生 / 大高洋夫"

 公式HPの出演者を見ると、何故かこれだけのメンバーしか出ていない。
 しかも男が4人。これでは『朝日のような夕日をつれて』は上演できない。全くの邪推であるが、解散と何か関係しているように思えてならない。

 以下、僕の個人的な話。
 20代で『朝日のような夕日をつれて』を名古屋で観て衝撃を受け、それからしばらく深くシンクロして第三舞台を探索していたw。第三舞台時代の鴻上尚史の戯曲と本は全部持ってて、芝居も東海地方のハンディ(いつも飛ばされている)を乗り越え(^^;)5〜6本は観た。
 それらを通して『朝日のような夕日をつれて』の衝撃の秘密を知ろうとしていたのだ。
 なので、解散はとても感慨深い。

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 今後、鴻上尚史の活動の中心は、「虚構の劇団」になるんだろう。
 そして第三舞台のひとつの代表作『天使は瞳を閉じて』を大高洋夫が主演で8/2〜公演。
 「幻の第三の舞台」から「虚構」への移行である。

虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』鴻上尚史×大高洋夫

"リアルですよね。メルトダウンした後の世界で生き残った人たちの話なので。それは状況としては非常に悲劇的なんですけど、ここではその中で懸命に生きようとしている人たちの姿を描いてる"

 横たわる不安な世界感覚を底流に描きつつ狂躁的でシャープな笑いの連打する幻のような舞台。もしかしたら現在、最も第三舞台が必要とされていそうなのに、解散はとても残念である。

◆関連リンク
封印時 鴻上尚史のごあいさつ

"お互いが生き延びていたら『第三舞台』として、10年後に会いましょう。その間、僕は創り続けます。最近、ようやく決心がつきました。んじゃ" 全員生き延びていたのに何故?

・関係者のtwitter @KOKAMiShoji @gibson_703 @SatomiNagano @KAKEI_TOSHIO @ito3com

第三舞台 鴻上尚史 当Blog 関連記事

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2011.03.06

■テリー・ギリアムのオペラ「ファウストの劫罰」と新作短篇「The Wholly Family:完全家族」

YouTube - Terry Gilliam directs the opera 'Damnation of Faust' at ENO
テリー・ギリアム監督がオペラ「ファウストの劫罰」演出へ : 映画ニュース - 映画.com

"  鬼才テリー・ギリアム監督が、エクトル・ベルリオーズ作曲の劇的物語「ファウストの劫罰」の演出を手がけることが分かった。

ギリアム監督がオペラを演出するのは今回が初めて。イングリッシュ・ナショナル・オペラのプロダクションで、英ロンドン・コロシアムで5月6日から10回の公演を予定している"

 冒頭のYoutube動画は、2011.3/3にアップされたばかりの、オペラへの意気込みを語るギリアムのインタビュー。
 いつものエネルギッシュな様子、彼の頭の中でファウストのイメージが活発に動きだしているのが手に取るようにわかります。

ファウストの劫罰 - Wikipedia

"  周りの風景はさらに恐ろしく奇怪なものへと変化してゆく。天からは地の雨が降り、路上には骸骨が転がっている。メフィストフェレスは“infernal cohorts”を叫び、ファウストともに奈落の底へ落ちてゆく。
 悪魔達はメフィストフェレスに対し、ファウストは本当に自ら魂を明け渡したのか尋ねる。メフィストフェレスはこれにうなずく。悪魔達は、悪魔の王子の名前を唱え、メフィストフェレスの周りを踊りながら、勝利の合唱を歌う"

 ギリアムによって舞台に現出する地獄。
 これは是非、観てみたいものです。

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The Damnation of Faust | Production.(公式HP)

"The Damnation of Faust
Former Python and cult film-maker Terry Gilliam makes his opera directing debut with Berlioz's dazzlingly kaleidoscopic take on Goethe's Faust, setting the old legend of the ivory-tower intellectual who forfeits his soul for love."

 これはENOによるオペラの公式HP。
 ギリアムのインタビューの他に、スタッフも登場する動画がある。
 そしてチケットはこちらでネット販売されているので、イギリスへ飛べる幸運な方、もしくはイギリス在住の方は、是非。オペラの様子をレポートいただけると嬉しいです。

The_wholly_family

テリー・ギリアムの新作ショートフィルム‘The Wholly Family’のファーストルック

 そしてもうひとつは、新作短編の記事と初出の映画の1シーン。

Terry Gilliam honoured at Bradford International Film Festival | APEngine

“To be honoured by such an important festival pre-posthumously will force my family to treat me with some respect while I’m still alive.  I will always be grateful for that.”

 この頁によると、ギリアムの回顧祭が開催され、その中で、この短編が初公開されるという。
 上の引用は、この映画についてのギリアムのコメント。

 映画のシーンは、どこかキューブリックの『時計仕掛けのオレンジ』を想像させ狂気を感じさせるイメージである。短篇だからこそできる潤沢に資金を使った幻想的な映像を期待したい。

Bradford International Film Festival - National Media Museum
 The 17th Bradford International Film Festival 16 - 27 March 2011 at the National  Media Museum. 第17回ブラッドフォード国際映画祭は、2011.3/16〜3/27にナショナルメディア博物館で開催される。

◆関連リンク
ファウストの劫罰 | ベルリオーズ | オペラ対訳プロジェクト

 

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2010.10.20

■天願大介 脚本・演出 métro第2回公演「舞台版・妹と油揚」

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演劇ユニットmetro公式HP 「舞台版・妹と油揚」の宣伝用動画

 2009年12月3日(木)〜13日(日) at SPACE雑遊

 天願大介のPFFアワード作「妹と油揚げ」の芝居が、昨年、公開されていた。
 公式HPの「過去の公演情報」にある芝居のポスターが強烈。左が自主映画版、右がmétroの舞台版。イヅナの鴇巣直樹氏が鬼気迫る表情。
 既に公演は一年近く前に終わっているが、この舞台、なんとかDVDが出ないものかな。演劇はその一回性が素晴らしいのだけれど、地方ファンのために、是非ともDVDをPlease!!

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 天願大介監督の自主映画「妹と油揚げ」を観たのは、既に20年くらい前だけれど、衝撃の一本だった。
 特に、鴇巣直樹演ずるイヅナは映画版でも凄かった。
 この作品、もう一度観たい。昨年末上映会が東京であったとは!

◆最近の天願大介の仕事
・métro 2010年の公演
 週刊大極宮 | 大極宮 -大沢オフィス公式ホームページ-

"月船さらら×出口結美子の演劇ユニットmetroの第三回公演がありました。
 一回目は「陰獣」、二回目は「妹と油揚げ」でありまして、今回は谷崎潤一郎『痴人の愛』。出演は月船さん(ナオミ)と池下重大さん(譲治)、天願チームの怪優・鴇巣直樹さん(痩せた男)。今回出口さんはプロデューサーと声の出演。
 一回目はミステリ、二回目は妖怪(全日本妖怪推進委員会推進舞台)ということで、僕なんぞにもお呼びがかかりまして、脚本・演出の天願大介さんとトークなどをさせていただきました。"

 京極夏彦がエッセイで上のように書いている。
 京極と天願の対談、これは興味深い。(残念ながら既に終了)

 最新では、天願大介、三池崇史監督の『十三人の刺客』で脚本書いている。巷の評判がいいので、僕も天願シナリオを観に行きたいのだが、なかなか時間が、、、。
 それにしても、『世界で一番美しい夜』(2008)に続く監督次回作はどうなってるんだろ?

◆旧作だけれど、、、 

 今村昌平監督『カンゾー先生』観た。天願大介との共同脚本。
 さすがに今村昌平の最高傑作、というわけではないけれどなかなか良かった。なにしろクライマックスで、あんなスペクタクルがあろうとは、、。老いても豪快ですね。そして天願のシナリオの力なのかも。

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