万博

2005.07.27

■公開 めざめの方舟 最終章 「狗奴(くぬ)~未生の記憶~」

[CHUNICHI WEB PRESS] めざめの方舟最終章 遺伝子操作のごう慢さ警鐘
  「狗奴(くぬ)~未生の記憶~」

 床のモニターに映し出される漢字の「偏(へん)」と「つくり」の組み合わせが目まぐるしく変わる場面では、遺伝子操作を行う人間のごう慢さを表現。また子犬から人間の赤ちゃんに顔が変わる映像を通じ、人間として生まれたことの偶然性を指摘している。

 あっという間に万博も残すところ、2ヶ月。めざめの方舟も3作目の登場です。
 3作品一挙上映の噂はその後聞こえてきませんが、どうなっているのでしょうか。もーし、関係者の方がここを見てらしたら、コメントPlease !

夢みる山通信(フリーペーパー)  というのがあるみたいです。会場で入手できるらしい

特集 小宇宙の精霊 汎(ぱん)の謎に迫る めざめの方舟 ~その核心を徹底解剖~
 ・「めざめの方舟」とは
 ・汎 ~その誕生秘話を追う~
 ・時間軸を持つ音楽 めざめの方舟を演出する影の主役
 ・驚異のデジタルライティング
 ・世界初! タマゴ形アクリルスクリーン
 ・プラズマ・マルチ・ディスプレー・システム
 ・マルチ出力デジタル音響システム

◆関連リンク
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)
・当Blog記事 DVD『めざめの方舟』感想 『青鰉 SHO-HO』スロープ版感想 アリーナ版 リンク  「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」レビュウ

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2005.06.25

■愛知万博 めざめの方舟 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」

 「百禽HYAKKIN」をアリーナで観てきました。

・海上を飛ぶ鳥の視点の映像が床の96台の50インチプラズマ・ディスプレー・パネルに映し出されるわけだけれど、これがディスプレー上の観客から非常に観にくい。ディスプレーの間に床のガラス面を支える鉄骨があるわけだけれど、これが太すぎて視界を妨げ、アリーナから全体がとらえにくい。僕はDVDであらかじめ観ていたので、イメージはつかめたけれど、初めての人にはなかなかわかりにくい映像だったのではないか。スロープからはそんなことはないと思うけれど。
 DVDで観るとダイナミックないい映像になっていただけにちょっと残念。あとスロープの壁面と卵形スクリーンの映像がほぼ空の映像で、魚の目を効果的に映した「青鰉 SHO-HO」より演出効果が弱いように思った。

・あと精霊「汎(ぱん)」を覆う遮幕は今回最初から開いた状態で動かない。故障との噂もあったので、アテンダントに聞いてみたけれど、今回は演出上、動かさないことにしたとのこと。なんで??という気はしますが、、、。

・50インチプラズマ・ディスプレーの映像について、もうひとつ。
 コンピュータグラフィクスの一枚の映像を96枚に分割して映しているのだけれど、これは一枚一枚の解像度が荒い。つまりCGを(ハイビジョンクラス?)で作って、それを単純に96分割して画素はそのまま拡大して投影しているだけにみえる。どうせCGなんだから、一枚のパネルの画像をハイビジョンの画素数でレンダリングしなおして上映すれば良いのに。そうしたらアリーナの観客はかなりリアルな感じで、空を飛んでいる感覚が生まれたように思う。、、、、レンダリング時間は96倍かかるわけですが。とてつもない時間がかかりそうで、制作プロは嫌がるでしょうね。

◆関連リンク
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)
・当Blog記事 DVD『めざめの方舟』感想 『青鰉 SHO-HO』スロープ版感想 アリーナ版 リンク 体感型映像空間 
めざめの方舟 映像一新 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」

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2005.06.20

■『愛・地球博 夢みる山 感動シアター 人気の映像空間を解く』

PAN_lift_down
東海テレビ『愛・地球博 夢みる山 感動シアター 人気の映像空間を解く
2005年6月19日 日曜 12時00分放送

 野良犬の塒さんの「東海テレビで『めざめの方舟』特番で知り地上波ディジタルで録画。卵型スクリーン製作会社の社長の話とか汎の造形についてとか以前のCBCの特番と同様のエピソードもありましたが、汎が空中から降りてくるCGデモシーン(上図)、企画当初の中央に巨大な戦車を置く案(下図)とかも紹介されていて、東海テレビの方がマニアック。汎はやはり動かす企画だったようです。今のは安全を配慮した妥協策で吊ってあるだけなのだとか。

 押井ファンとしての使命に駆られ(??)この貴重な資料映像を残さねばと思い、写真を撮りました。ハイビジョンで撮ってしまったのでパソコンに取り込めず、三脚立ててデジカメでプロジェクタのスクリーンを撮るという馬鹿なことまでしました(笑ってやって下さい)。なんでハイビジョン画面をPCでハンドリングできないんだ!と悪態をつきながら、、、、。(<<こういうことをするやつがいるからだよ、という声が聞こえてきそう。)もしかしたら 『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)のおまけとして収録されるかもしれないので、それまでの限定で引用させていただきます(クレーム付くかも)。
concept_3

 番組のラストには、万博会場での『青鰉 SHO-HO』ほぼ全編をいろいろなアングルのカメラで撮って放映。ハイビジョン画像なので、かなり会場の万博イベントとしての雰囲気を伝えている(むしろ編集で実物より良いくらい(^^;))。この作品は本来オブジェ等含めて作品なので、この映像もDVDには入れてほしい。

 この映像観ていて再度思ったのはスロープ席(ただの鉄骨むき出しの螺旋壁面)のみすぼらしさ。これが目のまえに観えることによりスロープ席で観ると興ざめしてしまう原因になっている。上の構想図(中央)にあるように、樹海的にここを構築してテーマと合うよう大自然の驚異を感じられるようにしてあったら、バロック的荘厳な体験になったかと思うと残念。結局、予算ハード面で中途半端だったんですねーー。
oshii_on_alina
 右は択捉のようなバロック都市を背景に、アリーナで佇む押井のシルエット

◆画面の企画書より抜粋

 環境の方舟
 環境としての記憶 映像
 環境を生成する記憶 視覚を超えて生成する体感映像の空間

 太古の森林を螺旋状に展張した空間 非ユークリッド空間の方舟
  ★記憶の生態系 識域下に漂う方舟
  ★非キリスト教的・非旧約聖書的・非西欧的な方舟
  ★東洋的・風水的・汎神論的方舟

 降りしきる雨の音/水面を渡る風の音
 そして遠い遠雷
 木造の螺旋空間の壁をレリーフのように飾る化石の魚や獣たち
 さらにその表面を埋め尽くす苔や茸の群生

◆関連リンク
・制作会社デイズ スタッフの日記
・当Blog記事 DVD『めざめの方舟』感想 『青鰉 SHO-HO』スロープ版感想 アリーナ版 リンク 体感型映像空間 『百禽HYAKKIN(ひゃっきん)

 

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2005.06.18

■新刊メモ『EXPO'70驚愕!!大阪万国博覧会』

expo70EXPO’70 驚愕!大阪万国博覧会のすべて
中和田ミナミ著 ダイヤモンド社 \3,990 2005.6
24×24cm/143p ISBN : 4-478-95055-5

これが35年前の未来都市だ!テーマは「人類の進歩と調和」。開催期間中、約半年間で入場者数のべ6422万人。1970年に行われた日本万国博覧会は、日本人の2人に1人が訪れたという史上最大のEXPOだった。「太陽の塔」「原子時計」「人間洗濯機」「タカラ・ビューティリオン」「エクスポタワー」「月の石」・・・いったいこの万博で、何が起こったのか?今でも心奪われるこの大阪万博は、21世紀の今この時代に、何を訴えるのか?明るい未来への希望を失い夢を持つことのできない今、35年前、大阪の千里の丘で行われた一大ムーブメントの秘密に迫り、夢見ることの大切さを思い出してみたいと思う。

 本屋で見ましたが、大判の写真満載でなかなか迫力。いままでこういう本がなかったのが不思議だったので嬉しい出版です。
 この写真集を見ていて、改めて思ったのだけれど、大阪万博のパビリオンって建築として面白いものばかり。冒険的なデザイン、未来的なフォルム。子供時代の雑誌の刷り込みの影響ばかりでなく、今見ても楽しい。
 比べて愛知万博の建築は、面白みのあるものが少ない。環境配慮だけでなく、挑戦的な建築がもっとあってもよかったのかなーと。
 やはりヤノベケンジに太陽の塔に匹敵する巨大モニュメントを作らせればよかったのに、、、。
 ああ、幻の愛知万国博覧会、、、、。

◆関連リンク
So-net blog:EXPO'70 Blog
・『EXPO70伝説―日本万国博覧会アンオフィシャル・ガイドブック』(Amazon)
・DVD『公式長編記録映画 日本万国博』(Amazon)
・『虚飾の愛知万博前田 栄作著(Amazon)

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2005.06.15

■豊田市美術館 KENJI YANOBE KINDERGARTEN

yanobe_haikyo_banpaku

 こんな企画が開催されるとは知りませんでした!! 万博へ行ってる場合じゃないです(^^;)。 この展示、産業廃棄物で造ったマンモスとか、アンチ万博な臭いがします。さすがにトヨタ自動車のお膝元だけあって、下記公式サイトにはそんな雰囲気は微塵もありませんが、、、。きっとアンチテーゼが提示されているものと、期待してしまいます。 あ、このマンモス、ヤノベ氏自身の車 トヨタのハイエースの廃材で作られたんだ。

豊田市美術館 ヤノベケンジ キンダガルテン 6/24 ~10/2

 「KINDERGARTEN/キンダガルテン」(幼稚園・保育所)と題された本展覧会では、21世紀初の万博である 愛知万博も視野に入れ、次代を担う人たちの“創造の種”となるヤノベケンジのダイナミックな新作を紹介します。像高 7.5mにおよぶ腹話術の巨大人形《ジャイアント・トらやん》、産業廃棄物で造った マンモス型木馬《 Rocking Mammoth》など、巨大な幼児の保育ルームのようなインスタレーションが展示室に出現します。本展において鑑賞者は、ミクロとマクロの視点が交錯する不思議なヤノベ・ワールドを体感することができるでしょう。誇大妄想狂ヤノベケンジによる、夢見る大人と子どものための展覧会が、いよいよ開幕します。

豊田市美術館:教育プログラム・イベント ● ヤノベケンジ 関連事業

 おまけにこんな企画が目白押し。制作現場、観たかったーー!
 まだ詳細情報が見つかりませんが、ファン待望の作品集が発売されるようです。

「ヤノベケンジ滞在制作 in 豊田」制作現場公開! 終了しました

豊田市美術館での展覧会に向け、豊田市内の某工場にて滞在制作をしているヤノベケンジ。その制作現場を公開します。
2005年6月12日[日] 午後4時~

ヤノベケンジ作品集出版記念イベント

アーティスト・トーク「ヤノベケンジ自作を語る」、フィルム上映、パフォーマンス、他
2005年7月30日[土] 午後1時~
会場=展示室1(予定)
料金
=無料(ただし当日の企画展観覧券が必要です)


映像とサウンドのライブパフォーマンス
山田達也(サウンド)+青木兼治(映像)+ヤノベケンジによるコラボレーション
2005年9月25日[土] 午後3時~
会場=展示室1(予定)
料金=無料(ただし当日の企画展観覧券が必要です)
◆フィルム上映「ドキュメント・メガロマニア」
青木兼治+ヤノベケンジ映像コラボレーション作品、2005年
第1回:2005年8月28日[日] 午後2時~
第2回:2005年9月18日[日] 午後2時~

会場=美術館 講堂
料金
=無料(ただし当日の企画展観覧券が必要です)

◆ワークショップ 「ジャイアント・トらやんのかつらを作ろう!-アート・アンド・ネイチャー」
第1回:2005年7月22日[金] 午後1時30分~
第2回:2005年7月23日[土] 午後1時30分~

対象=小学生 定員=各回20人
お申し込み=7月10日[土]より豊田市美術館 電話0565-34-6610まで(先着順)

◆ワークショップ 「SANPAIマンモス・プロジェクト」
第1回:2005年9月3日[土] 午後1時30分~
第2回:2005年9月4日[日] 午後1時30分~

対象=小学生 定員=各回20人
お申し込み=8月10日[水]より豊田市美術館
 電話0565-34-6610まで(先着順)

◆ヤノベケンジ展キッズ・ツアー
第1回:2005年7月31日[日] 午後11時~
第2回:2005年8月7日[日] 午後11時~
第3回:2005年8月21日[日] 午後11時~

対象=小学生 定員=各回20人
お申し込み=7月10日[土]より豊田市美術館 電話0565-34-6610まで(先着順)  

◆学芸員による作品解説

第1回:2005年7月3日[日] 午後3時~
第2回:2005年8月7日[日] 午後3時~
第3
回:2005年8月21日[日] 午後3時~
当日の企画展観覧券をお持ちの上、 2階展示室1入口にお集まりください

ヤノベケンジ初の本格的作品集 『ヤノベケンジ 1969 - 2005』(青幻舎刊)
 出版社のHPに情報がありました。DVD「document MEGALOMANIA」が付録に付くようです。来週は豊田へGO!

DVDには膨大な記録映像と関係者へのインタビューで構成したドキュメンタリー映画を収め、ヤノベの制作プロセスをつぶさに探ります。
本書は6月24日より、豊田市美術館ミュージアムショップで予約受付開始。7月24日より同美術館にて先行発売予定。
A4変/160頁/並製/DVD付(120分)定価3,990円(本体3,800円)
ISBN4-86152-048-7

◆関連リンク
・当Blog記事 見学記「幻の万博 YANOBE KENJI  『KINDER GARTEN』」(ネタばれ有)
YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス
ヤノベケンジ 「となりの晩ごはん」プロジェクト
・当Blog記事 ■ヤノベケンジ 子供都市・虹の要塞
アトミック・カフェ DVD-BOX』(Amazon) ヤノベ氏の缶バッチとTシャツ付き(トラやん)
ヤノベケンジ氏個展 豊田市美術館きょうから一般公開(中日新聞)
 これだけは凄いのでジャイアント・トらやん引用↓。
 マンモスはディーゼルエンジンを搭載!!鼻が動くらしい!!(展示会ではデモはない)
yanobe_haikyo_Giant_torayan

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2005.05.29

■めざめの方舟 映像一新 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」

hyakkin第2章は鳥の目線 「夢みる山」めざめの方舟、映像一新 [CHUNICHI WEB PRESS]

 第2章「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」が公開開始したということで、中日新聞に押井守監督へのインタビューが出ました。

 -今回はどんな作品。
 スピード感があり、若い人を意識した。(略)

 -見る人には何を期待するか。
 (略)見ることより、見られていることを意識してほしい。人間は見せ物で、擬人像が観客。見ようとすればするほど、自分が見られることになる。

 -2カ月後にはまた第3章に変わる。
 1週間でもいいから3章全部を通してやりたいね。(略)

中日新聞 愛知万博 動画サイト
 『めざめの方舟』の解説を押井守自らが語っています。

 意味はわかんないでしょうね。まず観てほしいのは、おじさん。それから子供。

 ということで、今回の「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」はDVD『めざめの方舟』を家で観る限りでは3本のなかで一番なので、楽しみにして万博会場へ再び訪れたいと思っています。もちろん、アリーナ席で観ます。今度はどんな空間に仕上がっているか、楽しみです。
 上のインタビューにある3本の連続上映、是非実現してほしいものです。会場スタッフの悲鳴が聞こえてきそうな、気もしますが、、、。押井ファンの観客にとってはこれが実現するかどうかで万博にいつ行くかが決まるわけで、もし実現するなら、早く発表してほしいものです。

◆関連リンク
・制作会社デイズ スタッフの日記
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)
・当Blog記事 DVD『めざめの方舟』感想 『青鰉 SHO-HO』スロープ版感想 アリーナ版 リンク 体感型映像空間 「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」感想

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2005.05.21

■DVDメモ 谷口千吉総監督 『公式長編記録映画 日本万国博』

DVD_expo70公式長編記録映画 日本万国博(Geneon公式ページ)

直接製作費3億4千万円、のべ参加スタッフ数1万8千名、使用フィルム尺10万メートル。黄金色に輝く円型の頭部が太陽の塔の胴体に装着される大迫力のトップシーンから、観る者は一気に、まるで万博会場に立ち会っているかのような臨場感と興奮にひきずりこまれる。

■1971年度劇場公開作品
■文部省特選(成人向、青年向、少年向、家庭向)
■1971年度 日本映画興行成績ランキング第1位
総監督:谷口千吉「銀嶺の果て」「暁の脱走」
音楽:間宮芳生「太陽の王子 ホルスの大冒険」「火垂るの墓」
ナレーター:石坂浩二・竹下典子
封入特典(予定)
●カラー8P解説書(万博会場マップ再録掲載)
●万博ポストカード3枚セット

 このDVD、いいですね。「万博会場に立ち会っているかのような臨場感」っていうのが特に。
 当時撮られて編集された記録フィルムなので、熱気とか70年代の空気を表現しているのでしょうね。総監督の谷口千吉って、黒澤明関連の本でよく名前を見る監督なのですが(『銀嶺の果て』,『暁の脱走』とかが黒澤脚本・谷口監督)、実は未見。調べてみるとこの作品が遺作のようですね。
 ところで愛知万博の公式記録映画は誰が撮るのでしょうか。ワールドカップは公式映画ではないけれど、岩井俊二の『六月の勝利の歌を忘れない』がありました。愛地球博を岩井俊二のカメラで観てみたい気もしますが、もっともそんな映画に割く時間があるならもっと劇映画の本数を増やしてほしい気もします、、、。
◆関連リンク
『公式長編記録映画 日本万国博』 (Amazon)
『プロジェクトX 挑戦者たち 第VIII期 大阪万博 史上最大の警備作戦』 (Amazon)
・この映画の照明を担当された古市義人の記述。この映画の準備中に亡くなった照明マンの父 古市良三氏について書かれています。

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2005.05.15

■万博レポート 映像パビリオン アラカルト

 究極映像研究所の「究極映像」とは、もともとハイ・イメージ論Ⅰで筑波万博富士通パビリオン「ザ・ユニバース」の3D-CG映像を吉本隆明が評した言葉からとっている。大阪花博の「ザ・ユニバース2」と合わせて、この立体3D-CG映像は、万博映像としておそらく最高峰だと思う。

 赤青フィルタのメガネ(または偏光メガネ)をかけて、あの立体3D-CG映像を観た時の興奮は今だ忘れることができない。眼の前に広がる無限の空間で鳴動する水分子の映像。どこでも観たことのない映像の異空間。僕が万博映像に期待するのは、ハリウッドの映画が描くエンターテインメントの宇宙冒険でも幻想的なファンタジーの映像でもなく、純粋に映像そのものによってどこでもない空間に観客を連れ去るようなそんな高次映像-究極映像である。

 以下、今までに観た愛知万博の各映像系パビリオンについて、簡単にコメントします。
 んで、結論は今回の万博では究極映像の「究」の字も観ることはできません(^^;)。いずれもエンターテインメントとしては、まあ楽しいかな、ってくらいで、ぶったまげるような映像には出会えていません。子供だましと呼んでいいかも。あと残すのはいくつかのパビリオンだけですが、ほぼ諦めムード漂う究極映像研(^^;)です。残念。
 「ザ・ユニバース3」があったら10回は観に行ったのに、、、。富士通の景気さえ良ければ、、、残念。

三井・東芝館 『グランオデッセイ
 面白いのはシアター入場前に参加者の一人づつが顔の写真を撮り、それをCG画像として撮り込んで作品の中に登場させていること。僕は戦闘チーム「ガーディアン」のリーダーでした。そのまんまジャパニーズなこの顔がハリウッドエンターテインメントなカッコイイ戦闘パイロットを演じている画面は違和感のかたまりでした(^^;)。
 ストーリーはSF。よくある人類が移住した先から地球へ戻ってくるという設定。デザインとか纏まってはいるけれど、あまりにパターンな展開がつまらん。
 映像は十数人の各ブースごとに150インチほどの画面。東芝なので自社製のDLPプロジェクタ使用かも。ハイビジョン画質のフルCGでした。これも可もなく不可もなく。ただラストでブースの仕切りが開いて、スクリーンがとなりのブースとつながって広がる趣向はそれなりに良かったのでした。
  『グランオデッセイオフィシャルアートブック―Nikkei characters presents』

菱未来館@earth 『もしも月がなかったら』
 米国天体物理学者 ニール・F・カミンズの『もしも月がなかったら』を基にした映像。
 IFXシアターということで、途中までは普通の大画面映像、後半で幕が開くと鏡をうまく使用し映像とそれを反射して広がりを出した華やかな空間を演出していた。そこのところはなかなか良かった。

JR東海 超伝導リニア館
 映像としては、偏光メガネをかけて観る大画面立体3Dハイビジョン。
 なかなかの迫力なのだけれど、コンテンツが単調すぎる。ただ超伝導リニアの走行風景を繰り返すばかり。迫力ある音楽がバックにかかり、鉄道オタクはあれだけで満足かもしれないが、、、。
 展示としては、僕が万博で最もテクノロジーにワクワクしたのがここ。リニアの技術に技術屋として痺れました。
 時速581kmという速度は約マッハ0.5。ジャンボ機が時速930kmということでマッハ0.8。ほとんど飛行機のスピード。しかもリニアは磁石により約10cm浮上しているので、ほとんど地面を飛ぶ飛行機ということになります。浮上する時に支持脚/案内脚装置というのがまるで飛行機の車輪のように引き上げられる映像が離陸のようでかっこいい。
 技術としては「ビスマス系高温超電導線材」を使用して、超伝導を冷凍機のみで(液体窒素を用いないで)作り出す技術(これはまだリニアに実装はされていない)が紹介されていた。浮上するための磁気の方式もいろいろと工夫がされていてメカニズムが面白い。
 この技術のワクワク感が映像に反映されていたら良かったのに。たとえば映像で飛行機との速度比較を見せるとか。とかく環境技術のみがクローズアップされている今回の万博だけど、少年達はこういう技術に痺れると思うけどな。

◆グローバル・ハウス オレンジホール
 立体大型映像装置・電脳屏風スクリーンによるソンマ・ベスビアーナ遺跡の復元
 遺跡の像のとなりでひっそりと上映されている約3分の展示おまけ映像。14名限定で偏光メガネ式CG立体映像を会場の片隅で約50インチのスクリーンで観る。CGはベスビオス火山の噴火で灰に埋もれる街。CG的には少し前の時代の映像で古い感じ。ここでの展示装置が他と異なるのは、スクリーンの形が屏風型(世界初!)になっている点。スクリーンがフラットではなく、W字型になっている。で、その効果は、、、、少し立体感が増したよーーな気がする。

◆夢見る山 NGK ウォーターラボ シアター
 シアター前方にライブステージを設け、実像(ドク・ウォーターを演じるアクター)と偏光メガネ式立体映像を組み合わせたパフォーマンス。USJのターミネータとかと似た方式。
 子供づれで行くなら、たいしたことのない上の各映像よりこちらがお薦めかも。単純に楽しいです。ならばずに観えるし。

◆夢見る山 押井守総合演出 『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』 別記事→スロープ版 アリーナ版
NHK スーパーハイビジョンシアター
SONY レーザードリームシアター この2つは別記事

◆関連リンク
『ハイ・イメージ論〈1〉』吉本隆明(Amazon)

 現在の高度な世界都市のなかに、偶然にまたは設計してつくられた高次映像の場所は、いわば究極映像のほうから逆に照射されたとき、それに呼応できる場所を意味している。

・富士通『ユニバース』リンク集。システム構成等画面写真付き紹介赤青フィルタメガネ
 注意!!  幕張の富士通ドームシアターは2002年9月に休館されて今は観えません。

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■万博レポート スーパーハイビジョンv.s.レーザー ドリームシアター

 グローバル・ハウスのブルーコースとオレンジコースで、スーパーハイビジョンとレーザードリームシアターを見比べてきました。結果はスーパーハイビジョンの圧勝。

SONY レーザードリームシアター
 スクリーン 幅50m×高さ10m
 解像度(1920×1080)×3=約600万画素。 フルHDを横に3つ並べたもの

 はっきり言ってSONYのはスクリーンがでかいだけで映像はただのハイビジョン。期待したレーザーの鮮明だと言われる画像も特に通常のDLPプロジェクタを凌ぐようには観えなかった。とにかく画面はでかいが、解像度がよくない。あれなら名古屋港水族館でIMAXを観た方が良い。加えて3台のGXLプロジェクタを横に繋げているのだけれど、つなぎ目が明らかにわかる。約5-60cmの幅で特に暗いシーンではつなぎ目が一段白くなっていて誰の目にもわかる。そのつなぎ目だけ明度を落とすとかそのくらいの工夫は出来なかったのかと残念。

NHK スーパーハイビジョンシアター
 スクリーン 幅13m×高さ7m
 解像度7680×4,320=約3300万画素。

 こちらは解像度が素晴らしい。目をこらしてもまったくひとつづつのピクセルがわからない。四角のスクリーンで切り出されているから映像だと認識されるけれど、これが視野全部を覆っていたら映像とはわからないかも。ちなみに手でわっかを作って外の四角い枠を手で覆うとほとんど肉眼で現実を観てるような感覚になりました。
 ただコンテンツが寂しい。まず映されるのが朝霧につつまれる富士山とかぼんやりした映像。ここはくっきりした青空とかをドーンと映して観客席に「おぉー綺麗」というどよめきを作ってほしかったところ。会場に入る前にスーパーハイビジョンで撮られた観客自身の姿はさすがにはっきりしてましたが、、、。
 うわさに違わぬ高細精画像に息を飲みました。

 万博ではグローバル・ハウスの整理券は、その会場の前で随時配られており、ほとんど待たずに手に入れられるので、お勧めです。
 ブルーとオレンジを選択できるけれど、だんぜんNHKスーパーハイビジョンがあるオレンジがお薦め。「月の石とアポロ宇宙服」「ディファレンスエンジン(複製)」「類人猿ルーシー(複製)」「八谷和彦氏のOPENSKYプロジェクト 風の谷のナウシカのメーベ」とかも観えますから。

◆関連リンク
・当Blog記事 ■万博 NHK『スーパーハイビジョンシアター』
・同       ■ソニー 2005型スクリーン レーザー ドリームシアター
【レポート】愛知万博 - 開幕1週間前、万博の目玉が次々公開される (MYCOM PC WEB)

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■万博レポート
   押井守総合演出『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』アリーナ席版

pann_change  2回目を観てきました。前回はスロープ席で観たのだけど、今度はアリーナ席。
 前回、かなりがっかりのだけれど、アリーナからの方がずっと良かった。足元にはプラズマディスプレイの列。まわりに青鰉【しょうほう】の像が数十体ならび我々を見下ろす。そして上を見上げるとの巨大な姿とそのまわりに3つの卵型スクリーン
 前回のスロープからは全体は俯瞰できるが、この見下ろされている圧迫感みたいなものが全く感じられなかった。本来アリーナ席での体感を狙って作られた空間であることを実感。

 で、前回の感想を、若干、修正。
 アリーナ視点で一番良かったのは、卵型スクリーンの魚の目玉に睨まれた時の感覚。3つの目がを中心においてギロリと我々を見下ろす。天の視線。ある意味、神の視線のように感じられる。魚の目の無感情なところ、そして汎の無表情が威圧感をもって迫ってくるのが、なかなかの迫力。
 足元のプラズマディスプレイの映像は、今回もそれほど良くない。ディスプレイ間の太い構造材が目立ちすぎて映像の中にいる感覚がほとんどしないのが問題だろう。次回の万博(何年先!?)ではここをクリアできる新素材が登場するのを期待したい。
 本来は上に魚の神の視線を感じ、自分の足元にさらに一階層したの生命体を体感させていたら、グッときたような気がする。

 いずれにしても、結論は『めざめの方舟』は是非アリーナで観るべきだ、ということ。観る位置はの正面側から卵形スクリーンが3つとも観える位置をお薦め。
 今回、2時くらいにガラガラだった「夢見る山」前の整理券配布場所で、「アリーナ席を」とお願いすれば、即1時間後の券を入手できたので、ご参考まで。

◆関連リンク
当Blog 押井守総合演出『めざめの方舟 青鰉 SHO-HO』 スロープ版
『めざめの方舟』コンプリート版DVD(8/24発売らしい)

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