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2011.04.26

■エマヌエラ・アンドレオリ, ウラジーミル・チェルトコフ共同監督『サクリファイス - 犠牲者ー事故処理作業者(リクビダートル)の知られざる現実』

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サクリファイス - 犠牲者ー事故処理作業者(リクビダートル)の知られざる現実(Googleビデオ)

"1986年4月に旧ソ連で起きた史上最悪のチェルノブイリ原子力発電所事故。百万人の労働者がその事故処理に狩り出された。放射性物質、放射線の危険性を全く知らされずに作業したため、強い放射線を浴び、放射性物質を体の中に取り込んでしまった作業者達。健康を害し、亡くなってゆく彼らに医療は為すすべを知らない。 地震大国日本で同様、あるいはこれ以上の事故が起きないと誰が言えるだろうか?"

 スイスのプロダクションによって製作されたエマヌエラ・アンドレオリ, ウラジーミル・チェルトコフ共同監督のチェルノブイリ・ドキュメント映画24分。

USTREAM: CNIC News
 上のグーグルビデオのは画質がいまいちなのだが、僕はこのUSTで放映されている鮮明な映像のものを観た。

"私たちは人々を助けている。だから永久に記憶されると思った。だが今は忘れ去られている"

 25年前の4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故。当時ソ連の原子力研究者の分析で、5月8日までに対策をとらなくてはいけない、ということで、100万人のリグヴィダートゥル(事故処理作業者)が投入されたとか。

 冒頭に引用した画像にあるが、胸と背中に斧で切り出した鉛板の簡易防御服。このように荒っぽい装備で、しかも顔はマスクだけで眼の周りは露出している。
 映像は、被曝を避けるため、走って作業する人々。迅速な対策のため、人海戦術で投入された、まさに決死隊である。

 映画は、その作業員の一人の、その後の十数年を追っている。
 以下は彼の妻が語る凄絶としかいいようのない、晩年の姿である。

" 放射線被曝によるこの病気は実質上治療不可能でいわば生きながらにして体が崩壊したのです。肉体組織がすべて崩壊しはじめ、腸骨が見えるほどになりました。
 夫の心臓が止まるまでそんな調子で続けました。肉がすべてそげ落ちて……。背中は全部肉が落ち、骨がむき出しでした。
 寛骨も手で触れるほどでした。私は手袋を使って手で骨の消毒をしました。分解し腐乱した骨の残骸を取り除きました"

(夫は)何かそれ以上のもの、遥かに超えたものを見つめていたのです"

 途中、半身と足が動かなくなった男の語りも悲痛なものがある。
 「38歳だが60歳だといってもかまわない。何が違うんだい?」と語る男と、妻と二人の子供達。

 上の引用部分の男の姿は、観客の想像力にまかされて、映像は映し出されない。
 放射線障害の末期的な状態、十数年後に訪れる肉体の崩壊というものがどんな原理で起こるのか、僕は知らないが、たいへんに痛ましいものである。

 映画は、以下のナレーションで、幕を閉じる。最後のセリフは、この作業員の男が、数日参加したチェルノブイリの作業を語ったセリフである。

 現実の生活という日常を、まるで夢のように変貌させてしまった非日常を語るセリフ。このあまりにも重い現実の悪夢が日本にも現出し、チェルノブイリよりも対応に時間がかかっているという事実に改めて戦慄せざるを得ない。

"チェルノブイリの妖怪はまだ生きているのだ。
今は昔、夢かうつつか。悪夢だ"

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2011.04.05

■原発対策案 直列化(2) テーマ6 放射性物質 漏洩対策

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 漏洩対策についての案。
 「6-1. 5重の隔壁からの漏洩防止」は、まさに原子炉専門家に御願いしたい。
 「6-2. 空気中、海中、土中への漏洩防止」と「6-3. 冷却水の処理」について、作成した冒頭の絵を使用して、アマチュアなりに書いてみたい。

■6-2. 空気中への漏洩防止
 これはもう原子炉建屋を何かで覆い尽くすしかない。
 政府案で、布を被せるというのがでているが、短期にはそれくらいしかできないが、僕は時間がかかることを承知の上、いずれ手を付けなければいけない恒久対策を今すぐプランニングすることを提案したい。

 あたりまえだが、原子炉建屋を他の巨大建造物で覆い隠す手段。
 上図の「原子炉1-4号機遮蔽棟」(濃い赤色部分)。
 ソ連が実施した石棺はあまりにも力技。ここは日本の建築技術の粋を尽くして、高層建築物として確実に放射性物質を覆い隠し、例え再度水素爆発が起きたとしても強度的に耐えられる防爆/耐震構造のビルディングを設計してほしい。

 万が一、これ以上の飛散が起こった時の世界中の被害を想定して、例え建築費が桁外れでも、これは技術立国日本の威信をかけて、ハイテクの粋をこらしてほしい
 その技術をしっかりと世界に開示しながら大特急でこの大仕事を実現すれば、日本への信頼感と、そして技術の優秀さの世界へのアピール効果は計り知れない。
 これにより、今後、世界の難工事で日本の建築業者に仕事が舞い込めば、うまくいけば宣伝費で建築が賄えるのでは、、、、、なわけはないかもしれないが、大手ゼネコンにとっては世界PRのチャンスの視点も持ってもらって、すぐ計画してほしい。

■6-2. 海中への漏洩防止
 上図の「冷却水遮蔽槽1,2」(赤色部分)を海に作る。
 湾内から出さない計画。1,2に分けて、二段階で浄化する方法も合わせて検討する。

 短期はすぐに実施できるこの手段を実施。まず日本の、そして世界の海に漏洩しない手段を講じる事が、早急に望まれる。

■6-3. 冷却水の処理
 海中への漏洩を防ぐには、元の冷却水をどう浄化するかも考えなければいけない。
 そこで上図の「冷却水浄化施設」青色部分。
 原子炉(格納容器)から漏れ出る冷却水全てを集中して、原子炉西側に建造する冷却水浄化施設に導水する。
 浄化施設は、水の蒸発による浄化が有力ではないだろうか。1時間10t(とテレビで言ってたかと)の冷却水を全部どこかに貯めるのは現実的に無理。
 蒸発させて、蒸気は冷やして真水にして再度冷却に利用。残った部分を遮蔽しながら、乾燥/濃縮した状態で廃棄槽に貯めて封印する。

 これが完成すれば、真水はそのまま海に戻すことも可能だろう。

■問題点
 上記工事はかなり時間がかかる。
 よってその作業時の被曝対策が必須。まず原子炉を覆う布に放射線を遮蔽できる金属(鉛)を入れ込めて、できる限り、放射線が新たな建築物の建築場所へ行かないような対策が必須。

 被曝対策については、別にもうひとつ記事を書きます。
 
 上記、回り道になるが、原発の状態がこうなった以上、長期化する廃炉までの間、恒久的な対策として、一日も早くプランイングを進めるべきかと。

 これができる時が、避難民が自宅へ帰れる時でないか。
 その日までの工程表を早急に示すのが、国と東電に早急に求められている。
 もちろん日々、緊急対応する必要がある対策は優先だが、それと必ず並行して恒久対策にも人材と物資と資金を割り当ててほしい。

 今回の案は、定番だけれど、時間がかかるので早急なプランニングが必要。
 建築の具体的なアイディア、浄化の別案等、なんでも提案いただけると嬉しい。

◆関連リンク
 togetter 原発事故 東のエデン的 対策案直列化
細野豪志ホームページ

原発対策案 直列化(1) 対策のコンセプトと具体的テーマのフレームワーク

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2011.04.04

■原発対策案 直列化(1) 対策のコンセプトと具体的テーマのフレームワーク

 今回の震災で、何か自分にできることをと考えて、 いちBlogにとって、誇大妄想的な(^^;;)テーマですが、全体の枠組みと自分が思いつくアイディアをここを起点にして書いてみたいと思います。東電事故原発という非日常/怪獣との究極映像研的な闘いの案。

■コンセプト
 日本の叡智を結集して、(1) 原発事故の被害を細小にする短期/長期対策を考案する。加えてこれをポジティブにとらえ、(2)日本の知恵の世界へのアピールのチャンスの場に変える。

■当Blog的裏コンセプト
 虚構で危機に遭遇し鍛え続けた日本のSF/特撮/アニメ脳が試される時w、世界へのSF/特撮/アニメの空想力/未来構築力のクールジャパンアピール。

■課題
 原発事故が収拾する気配なく、加えて政府からの明確な対応方針/戦略がなかなか見えて来ない状況で、今、大事なのは短/長期の戦略と戦術。

 原発問題は、放射能による国内危機とともに、このままでは日本の対応力が世界から低く評価され、今後、国際的な経済/政治力の大きな損失の危機となる側面がある。(例えばその風評(正確な評価?)により日本の工業製品が売れなくなるとか、これは今後の日本の復興にボディーブローのように効いてくる。)

 ネガティブでなくポジティブに、これだけ世界の眼が集まってる中、技術/民力の世界へのアピールの場と考え、日本の叡智をPRする。

■具体的テーマ 対策の体系化/フレーム
1.原発対策組織/指示系統の明確化。
シンプル化。

 政府、東電、自衛隊、消防、警察、医療機関、米軍、他国政府機関をどう統制しているかが、現在、混乱しているように見える。そこの確立が第一優先。

2.現場作業環境の改善
 安全、衣食住の確保。 優秀な防護服/防御装置(車両等)を大至急、大量生産する。 一番大変な仕事をしている人たちの健康を守るのは最優先課題。
 加えて一日二食とか椅子で寝ているとか劣悪な環境では、どれだけ優秀な人でも、正確で慎重な作業が不可能になる。それによる人災は必ず防ぐためにも最優先で。

3.人的なリソース計画
 限られた被曝許容放射線量に達したら、次の人に変わる必要がある。ではそのための人材計画は?
 それがなかなか見えて来ない。政府が統括して、1)東電、他電力会社、原子炉メーカ、原子力研究者などの放射線および原子力の専門家/作業員。2)自衛隊、消防、警察等、災害時対応の専門家 /作業員。3)機械/建築/電子/情報等、各技術分野の専門家 /作業員。これらの第一陣/第二陣、、、、の人材計画が必要。
 ボランティアの募集とその人たちの事後の生活の保障体制も重要。

4.燃料の冷却
 4-1. 再臨界防止
 4-2. 燃料棒冷却
 4-3. 原子炉冷却
 4-4. 格納容器冷却

5.放射性物質の発生抑制
 ここは細分化できるような知識がありません。どなたか補足をコメント欄に御願いします(^^;)。

6.放射性物質の漏洩防止
 6-1. 5重の隔壁からの漏洩防止
 6-2. 空気中、海中、土中への漏洩防止
 6-3. 冷却水の処理

7.放射性物質のモニタリング
 センサの大量生産と、モニタリング体制の構築。
 7-1. 作業員の周辺
 7-2. 原発周辺
 7-3. 日本国内
 7-4. 海外

8.情報の正確な展開
 対策案に世界の叡智を結集するためにも、政府/東電の対策本部から現場へ正確な指示をするためにも、必須。
 8-1. 原発の状況映像
 8-2. 上記モニタリング値の ITを使った公開の仕組み
 8-3. 東電と保安院と政府から情報か維持されているが、その一本化とアーカイブ化。

9.食品の安全性確保/風評被害対策
 9-1. 田畑のモニタ方法
 8-2. 流通小売りでの安全確認方法
 8-3. 原発近接地の作物の風評被害対策

10.対策に日本/世界の叡智を結集できるITの仕組み
 専用の討議掲示板、まとめサイトが必要。それらをできるだけ、迅速に整理し検索できるデータベースが必要。

11.他の原発をどうするか
 僕は個人的にはもう一切を早急に止めて、代替発電への転換を図ってほしい。そのための節電は自分もします。
 余震含め、次の原発が同様のことになったら、日本の復興は致命的になる。事故時のリスクを含めたら、原発のメリットは全て吹っ飛ぶ計算になるはずで(被害額数兆円に対してメリットは?? 試算は早急にして冷静な判断が必要だが)、直感的に成立していないと考えられる。

 ここについてはポジティブに語ることは無理なので、これ以上は書きません。

■対策案
 上記、具体的テーマ1〜10について、今後、twitterと本Blogで、案が出たたびに書き出していきたいと思います。全部のテーマは無理なので(当たり前w)、自分が思いついたもののみポツポツ書いてきます。
 ツイートでは、ハッシュタグ #genpatu_chie を付けます。テーマ識別のため、タグの後に上記テーマNo.を記入します。例えば #genpatu_chie 6-2 とか(ハッシュタグを機能させるため必ずNo.の前には半角スペースを入れて下さい)。

■本ブログの具体的提案
■原発対策案 直列化(2) テーマ6 放射性物質 漏洩対策
■原発対策案 直列化(3) テーマ4,5,6 HRP遠隔操作二足歩行ロボット利用

 当Blog読者の皆さんももし何か思いついたら、前向きなアイディアをツイッター、または本記事へのコメントで、ハッシュタグ+No.付でよろしくお願いします。数がまとまってくれば、togetterでまとめます。名付けて

togetter 原発事故 東のエデン的 対策案直列化

◆関連リンク
福島第1原発:6特別PTを設置 政府・東電連絡本部 - 毎日jp(毎日新聞)

"特別PTは(1)放射線遮蔽(しゃへい)・放射性物質放出低減対策(2)放射線燃料取り出し・移送(3)リモートコントロール(4)長期冷却構築(5)放射性滞留水の回収・処理(6)環境影響評価--の六つ。細野豪志首相補佐官が特別PT総括リーダーとして全体を統括する。各PTには関係省庁のほか、東 芝、鹿島などの民間企業、米原子力規制委員会(NRC)の専門家なども参加する。"

 細野首相補佐官をヘッドにした政府の原発特別プロジェクトが設置された。
 そこで書かれているテーマは、上の9テーマ。僕は上を考えていた時にこれを見たけれども、全体のフレームワークとしてはテーマが足りないと思った。
放射性物質の流出阻止「数カ月後が目標」 細野補佐官:日本経済新聞
細野豪志ホームページ
 政府は細野氏でプロジェクトを一本化するようなので、いい案が出れば、打ち込む先はありますね。、、、と捕らぬ狸の誇大妄想(^^;)

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2009.02.23

■村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチ

村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチ
       (はんどー隊ブログさん翻訳)

 私は今日、みなさんに伝えたいことが只一つだけあります。我々は国籍や民族や宗教を超えて個々人の人間で、システムと呼ばれる高い壁に相対しているもろい卵なのです。誰の目から見ても、我々に勝ち目はありません。壁は高すぎ、強すぎ、そして冷たすぎます。

 ネットで評判になっている村上春樹の受賞スピーチが翻訳されています。
 Youtubeのスピーチ映像はすでに削除されている。ふだん、あまりTVを観る時間がないので、見逃したのが悔やまれる。

 そもそも日本のメディアで放映されたか不明。
 僕も、中川某の醜悪なニュースは何回か観たが、この村上氏のスピーチは観ていない。

 ゴシップのようなニュースばっかり流していないで、こういうのを放映しないと、本当にTVは報道機関としての役割を終えた、と言わざるを得なくなるでしょう。

 

ネットでマスコミの流した文章を見ると、まったくのとおりいっぺんの紹介。
 それに対して、Blogの各記事は、そのスピーチに対する分析も感想もかなりの量出ている。マスコミからネットへ、報道は確実にシフトしている。

◆関連リンク
P-navi info : 村上春樹エルサレム賞受賞スピーチ (追加あり)

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2006.05.18

■9・11ペンタゴンの飛行機激突映像 公開
  9/11 New Pentagon Footage

911newpentagonfootage
YouTube - 9/11 - New Pentagon Footage (May 16th, 2006)

TUFニュース速報

 2001年の同時多発テロで、旅客機がアメリカ国防総省に激突した瞬間を捉えた監視カメラの映像が公開されました。
 2001年9月11日、アメリカン航空77便がワシントン郊外にある国防総省・ペンタゴンの建物に激突した瞬間をゲートに設置された監視カメラが捉えたものです。このテロでは、乗客・乗員77人とペンタゴンで働いていた職員など合わせて189人が死亡していますが、現場に機体の残骸がほとんど残っていなかったことなどから、実際には飛行機は当たっていないのではないかなどといった陰謀説も囁かれていました。

 この映像、静止画像を1秒に2コマほど撮影している自動スチルカメラの映像のようで、コマ間隔が荒くて、何が起きたのか、よくわかりません。ここにも飛行機の姿は映っていない。単にコマのタイミングと合わなかっただけかもこれないので、これを持って上記疑惑の証拠フィルムというわけでは全くありません。(右の方の白い光はレンズの傷か、ハレーションのようだし。) 疑惑はトンでもの気配が濃厚ですが、、、。

 専門領域の近い(??) ミのつく職人さんや、せのつく職人さんの意見をうかがいたいところです。

◆関連リンク
・その疑惑についての当Blog記事 虚構と戦争 911とP2の航空機映像
ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記で紹介されている911の映画 『ユナイテッド93』はなかなか興味深い。

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